◎この攻撃はイスラエルとパレスチナの緊張が高まっていることを示している。
2023年4月6日/イスラエル、北部シュロミの通り、ロケット弾が着弾した現場近く(ロイター通信)

イスラエル軍は6日、ガザ地区を実行支配するイスラム過激派組織ハマスがレバノン南部から同国北部に向けてロケット弾を発射したと報告した。

地元当局によると、イスラエル軍はレバノン南部から発射されたロケット弾34発の大半を防空システム「アイアンドーム」で撃墜したが、少なくとも6発がイスラエル領内に着弾し、建物などに被害が出たという。

AP通信は関係者の話として、「男性1人が破片で負傷し、医療機関に搬送された」と報じている。

ハマスの報道官はフェイスブックに声明を投稿。ロケット弾の発射元は分からず、手元に情報はないと主張した。

イスラエル軍によると、今回のロケット攻撃はレバノン側から放たれたものとしては過去17年で最大規模だったという。

この攻撃はイスラエルとパレスチナの緊張が高まっていることを示している。

イスラエル警察は今週、東エルサレムの聖地アルアクサ・モスクの礼拝者を2日連続で取り締まり、パレスチナ人と衝突した。

この衝突後、ガザ地区からイスラエルに向けてロケット弾少なくとも25発が撃ち込まれ、イスラエル軍はこれに空爆で応戦した。

イスラエルでは現在、ユダヤ教の春の祭り「過越(すぎこし)の祭り」が行われている。報道によると、北部では6日午後に空襲サイレンが鳴り響いたという。

イスラエル軍はロケット弾6発が着弾した場所を明らかにしていない。

しかし、地元メディアは国境の町シュロミの銀行を含むいくつかの建物や車が被害を受けたと報告している。

ロイター通信の取材に応じた目撃者は、「ロケット弾が私の家の前を通過し、通りに止まっていた車の屋根に当たった」と語った。

イスラエル軍はヨルダン川西岸地区を中心に、パレスチナ人が生活する都市、町、難民キャンプをほぼ毎晩取り締まっている。

今年西岸地区でイスラエルの治安当局に殺害されたパレスチナ人は88人。東エルサレムと西岸地区で今年殺害されたイスラエル人は15人となっている。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区、ゴラン高原、アルアクサ・モスクを含む東エルサレムを占領した。

イスラエルは東側の旧市街を含むエルサレム全体を首都とみなしているが、国際社会はこれを認めていない。

東エルサレムは1948年の第一次中東戦争後にヨルダンの管理下に置かれたものの、1968年以降は東西ともイスラエルが事実上支配している。

2021年5月11日/イスラエル南部、防空システム「アイアンドーム」とイスラエル兵(AP通信/Ariel Schalit)
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