◎ヒズボラはイスラエルの宿敵イランを支援し、2006年にイスラエル軍と1カ月におよぶ戦争(レバノン侵攻)を繰り広げた。
2017年11月8日/レバノン南部、イスラム過激派組織ヒズボラの戦闘員(Mahmoud Zayyat/AFP通信/Getty Images)

イスラエル軍は15日、レバノンのイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」が国境を越えてイスラエルに侵入し、13日の爆弾テロに関与した可能性があるという見方を示した。

このテロは北部の幹線道路で発生し、アラブ系のイスラエル人男性が重傷を負った。

軍は北部の国境近くでテロに関与したとされる男を射殺したと発表。男は爆弾ベルト、ライフル、ピストルを所持していたという。

ヒズボラはイスラエルの宿敵イランを支援し、2006年にイスラエル軍と1カ月におよぶ戦争(レバノン侵攻)を繰り広げた。

13日の爆弾攻撃はレバノン国境の南方約57kmに位置する主要幹線道路の交差点で発生した。

爆発に巻き込まれた21歳のイスラエル人男性は頭と身体に破片を受け重傷を負った。地元メディアによると、男性はハイファの医療機関に入院し、危険な状態だという。

イスラエル軍は15日、北部国境の町シュロミの郊外で13日午後に爆破テロに関与したとみられる容疑者が目撃されたと発表した。

軍報道官によると、治安部隊と警察の特殊部隊は容疑者の逮捕を試みたものの、爆弾を所持したため、その場で射殺したという。

軍は声明の中で、「容疑者は起爆可能な爆弾ベルトを含む複数の武器を所持していた」と述べている。

治安部隊はイスラエル国籍の運転手を逮捕し、捜査を進めているようだ。

軍は初期調査の結果、「容疑者は11日もしくは12日にレバノンからイスラエルに入り、攻撃を行った後、イスラエル人が運転する車で国境に戻ったとみられる」と報告している。

また軍は「ヒズボラが関与した可能性も排除せず、捜査を進める」としている。

軍は射殺した容疑者の身元を明らかにしていない。地元紙タイムズ・オブ・イスラエルは関係者の話を引用し、「容疑者とヒズボラを結び付ける証拠は見つかっていない」と報じた。

2006年のレバノン侵攻ではレバノンの市民1000人以上とイスラエル人159人が死亡した。ヒズボラはイスラエルに越境攻撃を仕掛け、イスラエル兵8人を殺害。イスラエル軍はこれに応戦し、戦争が勃発した。

それから17年、両国は何度か小競り合いを演じたものの、大きな戦闘は発生しなかった。

国連は公式には戦争状態にあるレバノンとイスラエルの国境「ブルーライン(停戦ライン)」に沿って平和維持軍を展開している。

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