◎ネタニヤフ政権の改正案が成立すると、議会は過半数の賛成で最高裁の判決を覆せるようになる。
2023年4月22日/イスラエル、首都テルアビブ、政府の司法制度改革に抗議するデモ(Tsafrir Abayov/AP通信)

イスラエルの首都テルアビブで22日、ネタニヤフ政権の司法制度改革に抗議するデモが行われ、数万人がネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相に退陣を要求した。

この抗議活動は今年初めから毎週行われており、建国75周年を記念する式典にも影響を与えると予想されている。

イスラエルは75年前の1948年5月14日に独立を宣言した。この祝日は国民の団結を示すものだが、同国は建国以来最大の危機に直面している。

汚職容疑で公判中のネタニヤフ氏は司法制度の見直しを政策の柱に掲げ、リベラル派で構成される最高裁の判決を覆す権限を連邦議会に与えようとしている。

全国ユダヤ人女性協議会の代表は演説で、「これは司法の問題ではなく、民主主義の問題だ」と語った。「ネタニヤフは司法の上に立てると思っています...」

デモ隊は独立記念日を祝う横断幕や、ネタニヤフ氏の顔に「犯罪者」「危険」「大バカ者」などと書かれた看板を掲げた。

抗議デモは前例のない規模に発展し、陸軍の兵士も参加。大手企業や対外諜報機関モサドの長官も改正に反対し、労働組合はゼネストを呼びかけている。

イスラエルの最重要同盟国である米国のバイデン(Joe Biden)大統領も「その道を進むことはできない」と反対を表明した。

ネタニヤフ氏は先月、デモがゼネストに発展し、経済活動が停止する恐れがあるとして、法案の審議を一時中断。野党と協議する姿勢を示した。

しかし、デモ隊はネタニヤフ氏に法案を「焼き払う」よう命じ、廃案になるまで抗議し続けると誓っている。

デモ隊は「恥を知れ」「やめちまえ」「ユダヤの恥」などと叫びながら通りを行進した。

ネタニヤフ政権の改正案が成立すると、議会は過半数の賛成で最高裁の判決を覆せるようになる。

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