◎イエメンの外務省は11日の声明で、「フーシ派は港湾都市モカにある人道援助倉庫を弾道ミサイルと爆発物を積んだドローンで破壊し、貴重な多くの物資が失われた」と述べた。
2020年8月22日/イエメン、首都サナア、シーア派反政府武装勢力フーシの戦闘員(AP通信/Hani Mohammed)

9月11日、イエメン政府はシーア派反政府武装勢力フーシが港湾都市の人道援助倉庫を弾道ミサイルとドローンで破壊したと述べた。

イランの支援を受けるフーシ派は最近、イエメン政府と隣国サウジアラビアへの攻撃を強化し、国民に人道援助を提供している団体や組織も標的にしていると伝えられている。

イエメンの外務省は声明で、「フーシ派は港湾都市モカにある人道援助倉庫を弾道ミサイルと爆発物を積んだドローンで破壊し、貴重な多くの物資が失われた」と述べた。

フーシ派は攻撃に関する声明をまだ発表していない。

フーシ派は2014年の内戦開始以来、首都サナアと北部地域の大部分を占領し、アブド・ラッボ・マンスール・ハーディー大統領率いる政府は南部地域への撤退を余儀なくされた。政府軍はサウジアラビアの支援を受けているが、内戦が収束する見通しは全く立っていない。

世界最悪の人道危機を引き起こしたイエメン内戦の死亡者数は両軍合わせて13万人を超え、民間人約12,000人が殺害されたと推定されている。国連は今年、フーシ派の支配下に置かれている地域への水・食料・医療の提供はひどく滞っており、問題を解決できなければ子供を含む民間人1,000万~2,000万人が餓死または栄養失調に関連する病で死亡する可能性があると警告した。

ハーディー政権を支援するサウジアラビアは2015年3月に内戦に参戦し、政府軍に武器と兵士を提供してきた。

外務省によると、フーシ派の攻撃で港湾都市モカのインフラは甚大な被害を受け、複数の援助機関の倉庫が焼失したという。死傷者の有無と、どの援助機関が影響を受けたかは明らかにされていない。

イエメンの国連特使を務めるハンス・グルンドバーグ氏は10日、「アラブ世界で最も貧しいイエメンは、終わりの見えない戦争に苦しめられている」と警告し、国際社会に内戦の終結に向けた取り組みを全力で支援するよう呼びかけていた。

フーシ派は政府の管理下に置かれている港湾都市への攻撃を今年の初めに再開したが、戦闘は膠着状態に陥り、犠牲者だけが増加した。また、隣国サウジアラビアに対する攻撃も加速させ、国際社会から非難されている。

フーシ派は先月、爆弾ドローンをサウジアラビア南西部の空港に飛ばし、民間航空機を攻撃した。現地メディアによると、民間人8人が負傷し、航空機も損傷したと伝えられている。

フーシ派の弾道ミサイルと爆弾ドローンはイエメンの南部地域にある主要な軍事基地にも到達し、先日発生した攻撃では少なくとも兵士30人の死亡が確認された。

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