◎国際仲裁裁判所(ICC)は先月末、クルド当局が国営石油会社を通さずに石油をトルコに輸出することを違法と裁定した。
イラク北部のパイプライン(Getty Images)

イラク政府とクルド人自治区は4日、北部イルビルの石油輸出を再開することで合意した。

スダニ(Mohammed al-Sudani)首相の報道官は声明で、「クルド人自治区の首長とトルコのパイプラインで石油を輸出することに合意した」と述べている。

地元メディアによると、両首脳はバグダッドで会談し、協定に署名したという。

スダニ氏は「この地域の石油輸出停止はイラクの貿易収支に害を及ぼす」と述べ、両政府は石油・ガス輸出における資金の分配についてまとめた連邦法の成立に向けて取り組むとした。

クルド人自治区は別の声明で、「今回の合意は一時的なものだが、長年の争いを終わらせるための重要なステップである」と述べている。

AP通信によると、この合意により、北部からの石油輸出は4日中に再開される予定だという。

国際仲裁裁判所(ICC)は先月末、クルド当局が国営石油会社を通さずに石油をトルコに輸出することを違法と裁定。政府はパイプラインを停止した。

政府とクルド人は石油収入の分配をめぐって長い間対立してきた。

イラクはOPEC第2位の産油国である。政府はクルド人が国営石油会社を通さずにトルコに石油を輸出し、不正に収益を上げていると非難してきた。

イラクは1973年にトルコと石油輸出協定を締結しており、国営石油会社を通さずに販売することは違法としてICCに提訴した。

APは関係者の話として、「新たな協定により、石油会社はクルド当局と協調して石油を販売できるようになる」と報じた。

北部の石油収入はクルド当局名義となり、連邦政府の管理下にある口座で管理されるようだ。

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