イラン軍のロケット弾がタジ基地に着弾、3人が死亡した

 11日、米軍とイギリス軍の駐留するバクダッド北部「タジ軍事基地」がイラン軍の攻撃を受け、3人が死亡、12人が負傷した。死亡したのはイギリス軍兵士、米軍兵士、米軍民間請負兵士。氏名はまだ公表されていない。

 アメリカが1月に無人攻撃機でイランの上級司令官カセム・ソレイマニを殺害して以降、両国の関係は高い緊張状態を維持したままだ。1月8日にはソレイマニ殺害への報復攻撃により、100人以上の兵士がTBI(外傷性脳損傷)に苦しめられている

 タジ軍事基地に着弾したロケット弾は計18発、1月8日以来の大規模な攻撃だった。イギリス国防長官ベン・ウォレスは、ロケット砲による攻撃を「潮流に逆行する愚かな行為」と批判、ボリス・ジョンソン首相も「嘆かわしい行為、真相を究明し、アメリカと連携し対応に当たる」と述べた

 イラク国内での戦いが収束する見通しは全く立っていない。IS(イスラム国)を追い詰めつつある連合軍の戦闘は収まる気配を見せず、他の過激派組織の活動状況も不透明な状況だ。9日には、カラチョー山地でのIS襲撃作戦中、米兵2人が殺害された。

 イラク国内や周辺地域には数千人規模の過激派組織兵士が潜伏しており、ISの復活、治安部隊等への攻撃などを繰り返している

 連合軍は現在もイラク国内にとどまっているが、イラク議会は兵士たちの駐留要請の撤回法案を提出、可決された。タジ軍事基地への攻撃に対抗する手段が取られれば、新たな火種を生み出す可能性もある。

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