◎イラン、米国、EUの交渉官は数カ月にわたってボロボロの核合意を復活させる交渉を行ってきた。
2019年2月11日/イラン、首都テヘラン、星条旗を燃やす人々(Getty Images)

イラン核合意再開を目指す交渉官たちは7日、交渉は順調に進んでおり、近いうちに合意に達する可能性があるという見方を示した。

ロシアのウリヤノフ(Mikhail Ulyanov)国際原子力機関(IAEA)大使はウィーンの記者団に対し、「我々はゴールまで5分か5秒のところに立っている」と語った。「ゴールは目の前ということです」

またウリヤノフ氏は解決しなければならない問題が3つか4つ残っているとし、核合意を再開できるかどうかは米国とイランにかかっているとした。「イランと米国次第です。断言はできませんが、正しい方向に進んでいるという印象を受けます...」

EUの交渉官、モラ(Enrique Mora)欧州対外活動庁事務次長も楽観的な見方を示した。「我々は前進しており、間もなく交渉は終了するでしょう」

イラン、米国、EUの交渉官は数カ月にわたってボロボロの核合意を復活させる交渉を行ってきた。交渉官たちは4日から間接交渉を再開している。

トランプ(Donald Trump)前大統領は2018年にイラン核合意から離脱し、イランの外国資産を凍結したうえで、イランの原油、天然ガス、石油化学製品などに対する投資を禁止した。しかし、イランは制裁発動も中国などに原油を輸出し続けている。

イランはトランプ政権の制裁に核開発で対抗し、遠心分離機数百基を稼働させ、ウラン濃縮をスピードアップさせた。

イランは2015年、米国、ロシア、イギリス、フランス、中国、ドイツと核合意を結んだ。イランは経済制裁の解除と引き換えに、国連査察団の監視下でウラン濃縮を制限することに同意した。

トランプ政権はより強力な協定を結ぶために核合意から離脱するとしたが、目論見は完全に外れた。イランは協定を破り捨て、ウラン濃縮を加速させている。

イラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止しているが、IAEAによると、イランは60%の高濃縮ウランを生産し続けている。

<ウラン(U-235)の濃縮度>
・0.7%:標準
・2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
・3.67%以下:イラン核合意の規定値
・20%以上:高濃縮ウラン
・90%以上:核兵器用

2022年7月19日/左からロシアのプーチン大統領、イランのライシ大統領、トルコのエルドアン大統領(Sergei Savostyanov/Sputnik/Kremlin/Pool/AP通信)
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