◎2018年に破綻したイラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止しているが、イランは60%の高濃縮ウランを生産し続けている。
イラン、首都テヘランの南に位置するナタンツ原子力施設(MaxarTechnologies/AFP通信)

国際原子力機関(IAEA)は14日、イランが原子力施設で新型の遠心分離機を稼働させ、今後数週間のうちに設置数を増やす予定であると明らかにした。

米政府はこの動きを「核のエスカレーション」と非難した。

新しい遠心分離機はイランの核開発を前進させるものであり、兵器級に近い高濃度ウランの備蓄をさらに増やすと予想されている。

2018年に破綻したイラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止しているが、イランは60%の高濃縮ウランを生産し続けている。

<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用

専門家によると、イランは数発分の核弾頭を製造できるレベルのウランを保有している。

IAEAはガザ紛争により中東の緊張が高まる中、イランがより高いレベルの高濃縮ウランを生産している兆候は現時点では見られないと示唆した。

またIAEAは「査察団がナタンツの原子力施設において、3つの遠心分離機へのウラン供給を開始したことを確認した」と述べた。

それによると、この遠心分離機による濃縮度は2%となっている。

イランはナタンツにIR-2m遠心分離機を18カスケード、中部フォルドゥにIR-6遠心分離機を8カスケード設置する予定である。

これらの遠心分離機はいずれも、イランの核プログラムの主力であるIR-1遠心分離機よりも高速でウランを濃縮できる。

イランは現在、南部で原発4基を新たに建設中である。

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