◎タリバン政府の内相を務めるシラージュッディン・ハッカーニ氏が昨年8月の政権発足以来、初めて公の場に姿を現した。
2022年3月5日/アフガニスタン、首都カブールの警察学校、シラージュッディン・ハッカーニ内相(右)(AP通信)

3月5日、タリバン政府の内相を務めるシラージュッディン・ハッカーニ氏が昨年8月の政権発足以来、初めて公の場に姿を現した

ハッカーニ内相はタリバン内の武装勢力のひとつハッカーニ・ネットワークの指導者で、米FBI(連邦捜査局)は同氏の逮捕につながる情報に1,000万ドル(約11億円)の懸賞金をかけている。

ハッカーニ・ネットワークは9.11同時多発テロの首謀者であるウサーマ・ビン・ラーディンの逃亡を助けたと考えられている。

ハッカーニ内相は首都カブールの警察学校で行われた卒業式に出席した。AP通信によると、訓練を終えた377人は全国の警察署に配備されるという。

ハッカーニ内相はスピーチの中で、「国民に暴力をふるったタリバンの治安要員は刑事裁判にかけられている」と語った。一部の市民はタリバンの戦闘員に暴力を振るわれたり、違法な家宅捜索を受けたと訴えている。

今年1月には国境検問所付近で若い女性が警察官に射殺される事件も発生した。この警察官は逮捕されたと伝えられている。

ハッカーニ内相は戦争から市街地での取り締まりに移行した一部の戦闘員と警察官が不祥事を起こしたと認め、卒業生に訓練で習ったことを忘れず、国民のために働くよう求めた。

またハッカーニ内相は、「国際社会はタリバンを脅威と見なすのではなく、アフガニスタンの再生に必要な組織と見なすべきである」と述べ、治安維持任務の重要性を卒業生に説いた。「あなたたちはアフガニスタンの再生に欠かせません...」

さらにハッカーニ内相は、アフガニスタン戦争を終結させたのは2020年2月に米国と結んだ和平協定のおかげであり、タリバンは米国との協定にコミットしていると主張した。

この協定はアルカイダのような過激派組織がアフガンを拠点として世界の安全保障を脅かすことを防ぐようタリバンに要求している。

ハッカーニ内相は、「アフガニスタンの女性は働き、学校に行くことができる」と述べ、女性警察官の努力をたたえた。「今日、私たちの姉妹がこの卒業式に出席し、卒業証書を受け取りました...」

この卒業式で配属が決まった女性警察官の数は明らかにされていない。

アフガニスタンの経済は西側の制裁、干ばつ、現金と食料不足でひどく疲弊しており、子供を含む2,000万人以上が飢餓に直面している。

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