◎トルコは2013年、軍事クーデターで当時のモルシ(2019年死去)大統領が追放されたことを受け、大使を帰国させた。
トルコとエジプトの国旗(Getty Images)

エジプトとトルコが10年ぶりに駐大使を再任し、外交関係正常化に向けた取り組みを加速させた。地元メディアが4日に報じた。

両国は4日付けの共同声明で、「駐エジプト・トルコ大使が首都カイロに、駐トルコ・エジプト大使が首都アンカラに再任した」と述べている。

また両国はこの再任を外交関係正常化に向けた取り組みのひとつとし、「両政府は両国民の生活と利益を最優先することで一致し、再任は二国間関係の強化に取り組むという決意を示すものである」としている。

トルコは2013年、軍事クーデターで当時のモルシ(Mohamed Morsi、2019年死去)大統領が追放されたことを受け、大使を帰国させた。

モルシ氏はイスラム主義組織「ムスリム同胞団」出身で、トルコ政府の支持を得ていた。エジプト政府はムスリム同胞団をテロ組織に指定している。

トルコのフィダン(Hakan Fidan)外相は4日、大使の相互再任を歓迎し、「両国の関係は重要な段階に入った」と表明した。「トルコとエジプトはアフリカ・中東地域における大国であり、歴史的、地理的、文化的、戦略的、宗教的に強く結びついています...」

「今後、両国の関係は政治、経済、その他あらゆる分野で急速に進展していくでしょう」

トルコ政府はこの地域の安全保障を確立する取り組みの一環として、近隣諸国との関係改善を進めている。トルコは現在、イスラエル、サウジ、UAE(アラブ首長国連邦)との関係修復にも当たっている。

アラブ連盟(Arab League)のアブルゲイト(Ahmed Abouel Gheit)事務局長は4日、両国の決定を「湾岸地域の緊張緩和に向けた重要な前進」と評価した。

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