紅海の貨物船にドローン攻撃、乗組員全員救助 イエメン沖

紅海で貨物船が攻撃を受けたのは4月中旬以来。犯行声明を出した組織は確認されていない。
イエメン沖、紅海(Getty Images)

英国海運貿易オペレーション(UKMTO)は6日、紅海で攻撃を受け火災が発生した貨物船の乗組員が無事救助されたと明らかにした。

民間警備会社Ambreyはイエメンの親イラン武装組織フーシ派の攻撃の可能性があると指摘している。

紅海で貨物船が攻撃を受けたのは4月中旬以来。犯行声明を出した組織は確認されていない。

UKMTOによると、攻撃を受けたのはリベリア船籍でギリシャの会社が所有するばら積み船マジック・シーズ号。ドローン攻撃を受け、火災が発生したという。

UKMTOは声明で、「付近を航行中の商船が乗組員全員を救助した」と明らかにした。

Ambreyも声明を出し、マジック・シーズ号が8隻の小型ボートから銃撃を受け、その後、4隻の水上ドローンによる攻撃を受けたと説明した。

それによると、2つの水上ドローンが船の左舷側に衝突したという。

UKMTOはこの攻撃により船内で火災が発生したと述べている。

運航会社はコメントを出していない。

Ambreyはフーシ派が過去に行った貨物船への攻撃に言及。紅海を航行する貨物船に対し、不審な船やボートに警戒するよう呼びかけた。

一方、イスラエル軍は6日夜から7日にかけてイエメンの港湾都市ホデイダを空爆した。親イラン武装組織フーシ派系のアル・マシラTVが7日早朝に報じた。

イスラエル軍の報道官は6日夜、ホデイダで軍事活動が行われているため、同地域を攻撃すると声明を出していた。

フーシ派は23年10月にガザ紛争が始まって以来、イスラエル領内だけでなく、紅海やアデン湾の船舶を数百回攻撃してきた。

この間、フーシ派は2隻の船舶を沈没させ、1隻をシージャックし、少なくとも4人の船員を殺害した。この攻撃は世界の海運を混乱させ、多くの企業がアフリカ南部喜望峰を周回する、より長く、より費用がかかる航路への変更を余儀なくされた。

フーシ派は3月、イスラエル軍がガザ地区への攻撃を再開したことを受け、紅海やアラビア海、アデン湾などを通過するイスラエル船舶への攻撃を再開すると主張。トランプ米政権はこれを受け、フーシ派に対する軍事作戦を開始した。

米中央軍(CENTCOM)は3月15日にフーシ派への攻撃を開始し、首都サヌアやホデイダなどを1000回以上空爆。フーシ派は300人近くが死亡したと報告している。

4月18日の空爆では少なくとも74人が死亡、171人が負傷したとされる。

トランプ政権は5月初め、フーシ派への空爆を停止した。

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