▽OPCWは約14年にわたる内戦中、アサド政権が化学兵器を使用した証拠を何度も公表してきた。
![](https://kagonma-info.com/wp-content/uploads/2022/03/2016年/シリア、首都ダマスカス郊外(Getty-Images/AFP通信/PAメディア).jpg)
化学兵器禁止機関(OPCW)の代表団が8日、シリアの首都ダマスカスに到着し、シャラア(Ahmed al-Sharaa、通称ジャウラニ)暫定大統領と会談した。
OPCWは約14年にわたる内戦中、アサド政権が化学兵器を使用した証拠を何度も公表してきた。
シリアは2013年、ダマスカス郊外での化学兵器攻撃に対する批判を回避するためにOPCWに加盟、化学兵器の使用を否定した。
OPCWは昨年、シリアのイスラム国(ISIS)グループがアサド政権から奪ったとみられるマスタードガスを使用したと認定した。
現地メディアによると、シャラア氏とOPCW代表団の会談には化学兵器の専門家なども参加したという。
アサド政権が倒れた後、オランダ・ハーグの在カタール大使館が新指導部とOPCWの仲介役を務めてきた。
アサド(Bashar Assad)前大統領は24年12月、タハリール・アルシャーム機構(HTS)率いる反体制派による電光石火の攻勢に対応できず、ロシアに逃亡。これにより、50年にわたるアサド一族の独裁に終止符が打たれた。
政権崩壊から数日後、OPCWによる緊急会合が開かれた。OPCWはシリアに対し、塩素ガスなどの危険な物質を保護し、廃棄するための規則を遵守するよう求めていた。
またOPCWは政権崩壊にイスラエル軍が行った空爆により、有害物質が流出した可能性があると懸念を表明した。
イスラエル軍はアサド政権の化学兵器が反体制派に流れることを阻止するために基地や施設を数百回空爆した。
OPCWは「化学兵器の開発、生産、貯蔵および使用の禁止並びに廃棄に関する条約(1997年発効)」の実施を監視している。