◎ネタニヤフ政権がブリンケン氏の説得に応じるかどうかは不明である。
2024年1月9日/イスラエル、首都テルアビブ、ブリンケン米国務長官(ロイター通信)

中東歴訪中のブリンケン(Antony Blinken)米国務長官は9日、イスラエル政府高官との会談を終え、パレスチナ・ガザにおける被害などを調査する国連ミッションを発足させることで合意したと発表した。

ブリンケン氏は首都テルアビブで記者会見を開き、イスラエル軍によるガザ北部の軍事作戦が縮小段階にあることを鑑み、国連による調査ミッションを発足させることでイスラエル政府と合意したと明らかにした。

またブリンケン氏はこのミッションについて、「避難民となったパレスチナ人をガザ北部の居住区に安全に戻れるよう支援することも含まれる」と強調した。

さらに、「この取り組みは一朝一夕にはいかず、安全保障、インフラ、人道面で深刻な課題を抱えている」と述べ、「それらの問題を克服するプロセスを開始する」と言明した。、

ブリンケン氏は南アフリカ政府がガザ地区でイスラエル軍がジェノサイドを行っているとして、国際司法裁判所に提訴したことについて、「ハマスによる戦争犯罪から注意を逸らすものであり、容認できない」と批判した。

またブリンケン氏は「イスラエルを攻撃するハマス、ヒズボラ、フーシ、そしてこれを支持するイランがユダヤ人の大量虐殺を公然と呼びかけていることを考えると、腸が煮えくり返る」と断じた。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は2万3000人に達した。その多くが女性と子供とみられ、被害の全容は明らかになっておらず、実際の死者数はこれより多い可能性がある。

ブリンケン氏はネタニヤフ政権の閣僚2人がパレスチナ人をガザ地区から東部シナイ半島に移すべきと発言したことについて、「とんでもないことだ」と批判した。

またブリンケン氏はネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相に対し、「米国はパレスチナ人の強制移住を絶対に支持しないと言明した」と明らかにした。

ネタニヤフ政権がブリンケン氏の説得に応じるかどうかは不明である。

国連ミッションがガザに入って調査を開始する時期、イスラエルがそれを本当に許可するかどうかも不明だ。

イスラエル国防省の報道官はブリンケン氏と会談したガラント(Yoav Gallant)国防相の声明を引用し、「ハマスを一掃するまで戦争は終わらず、近隣のテロ国家がイスラエルを攻撃するのであれば、全面戦争に応じる用意がある」と伝えている。

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