◎タリバンは昨年8月の政権奪取後、ほとんどの女子中学校を閉鎖し、すべての公立大学から女性を締め出した。
2022年2月20日/アフガニスタン、首都カブールの通り(Getty Images/AFP通信)

アフガニスタンの現地メディアによると、国内の主要な公立大学が男女別学で授業を再開をしたという。

タリバンは昨年8月の政権奪取後、ほとんどの女子中学校を閉鎖し、すべての公立大学から女性を締め出した。

西側諸国の制裁に直面したタリバンは女性にも教育を受けさせると主張している。しかし、AFP通信によると、大学はイスラム教のカリキュラムに従った場合のみ女性向けの授業を許可されるという。男子学生と女子学生の授業は異なる時間帯に行われる。

英語を専攻している学生はAFP通信に、「大学が再開されてうれしい」と語ったが、講師の数が不足していると明らかにした。「たぶん、講師たちは国外に避難したのだと思います...」

タリバン政権樹立後にアフガニスタンを離れた外国人は数万人と推定されている。

国内最大の大学であるカブール大学も2月26日に再開したが、授業に出席した学生はほとんどいなかったと伝えられている。

アルジャジーラによると、高等教育省は少なくとも19の大学と教育機関の再開を許可したという。

しかし、一部の学校ではトラブルも報告されている。地元メディアによると、南部の高校の学生が携帯電話を持ち込み、タリバンの戦闘員に叱られたという。

バダフシャン州の大学に通う女子学生はAFP通信の取材に対し、「教室には7人しかいなかった」と語った。「以前は男女合わせて50人近くいました...」

アルジャジーラによると、タリバンの戦闘員はキャンパス内での取材を却下し、大学の入り口付近で待機することも許さなかったという。

パンジシール州の大学で教室に戻った女子生徒はおらず、他の州もおおむね同じような状態だった。

パンジシール大学のアフザリ教授はAFP通信に、「学生たちは戻ってこないかもしれない」と語った。「彼らは勉強したいと思っていますが、タリバンの取り締まりを恐れ、登校できずにいます」

パンジシール州は昨年のタリバン侵攻で最後に陥落した州である。アフザリ教授によると、一部の教室が戦闘で破壊され、まだ修復できていないという。

タリバンの高官は以前、「女子学生はヒジャブまたは黒いアバヤ(ローブ)を着用しなければならない」と述べていたが、以前の統治時代に義務づけていたブルカ(目以外を覆う黒いローブ)の着用は求めていない。

一部の女性学生はヒジャブとカジュアルな服を組み合わせて登校している。

バーミヤーン州の大学に通う生徒はAFPに、「初めてヒジャブを着用した」と語った。「以前はジーンズや普通の服を着ていました。ヒジャブはめんどくさいです...」

一方、イランとの国境に近いヘラート州の大学は講師不足に悩まされている。

芸術を専攻する女子学生は、「お世話になった教授の多くが国を離れてしまったが、授業再開はうれしい」と述べた。

カブール大学の女子生徒はアルジャジーラに、「以前のキャンパスライフとは全く異なる」と不満を表明した。「カフェテリアは閉鎖され、銃を持ったタリバンの兵士が中庭をウロウロしています」

今のところタリバン政府を公式に認めた国はない。タリバンは女性にいくつかの制限を課し、多くの政府系機関で働くことを禁じた。

タリバンは西側の制裁で90億ドル以上の資産を凍結され、経済は崩壊寸前である。国連によると、人口の半数以上が食糧不足に悩まされ、一部の地域では飢餓が進行中だという。

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