◎タリバンは昨年8月の政権奪取後、国際社会にイスラム教の許す範囲で女性の権利を保障すると約束していた。
2022年5月10日/アフガニスタン、首都カブール、ブルカの強制に反対する女性たち(Getty Images/AFP通信)

アフガニスタンのタリバンは12日、西部ヘラートの女性に対する規則を強化したと発表した。

悪名高い勧善懲悪省によると、ヘラートでは男女で一緒に食事をとったり、公園を散歩することができなくなったという。

タリバンは先週、全国の女性に目以外を覆うブルカ(イスラム教のヴェール)の着用を命じ、国際社会の批判に直面した。

ヘラートの勧善懲悪書の報道官はアルジャジーラの取材に対し、「レストランのオーナーに、男性と女性を完全に分けて接客するよう命じた」と語った。

あるレストランのオーナーはアルジャジーラに、「タリバンの戦闘員はこの規則は夫婦にも適用されると言った」と説明した。

ヘラートの報道官は、「公園の利用も男女別とし、利用可能日を設定する法令を施行した」と述べた。「女性は木曜、金曜、土曜に公園を利用できます...」

ヘラートの商店街でレストランを経営する男性はアルジャジーラに、「命令に従いますが、この規則は外食産業に打撃を与えるでしょう」と語った。「私のレストランは夫婦で利用する人が多いため、売り上げは減ると思います。スタッフの解雇もあり得るでしょう...」

ある女性は、「11日にレストランを利用した時、店長から夫と離れて座るようお願いされた」と語った。

AFP通信によると、ヘラート市内の運転免許証発行機関は女性への免許証交付を中止するよう命じられたという。

タリバンは昨年8月の政権奪取後、国際社会にイスラム教の許す範囲で女性の権利を保障すると約束していた。

タリバンがここ数カ月の間に出した命令は西側の期待を裏切り、財政支援の再開や資産の凍結解除に向けた交渉を台無しにしている。

タリバンは女性にブルカの着用を命じ、違反した者に刑事罰を科すよう命じた。

昨年末には女性の一人旅を禁じ、3月末には女子生徒を中等教育から除外した。

国連によると、アフガニスタンの人口の半分以上が飢餓に直面し、人口の95%以上が食料の確保に苦労している。タリバンは制裁解除と国際金融機関の援助を再開するよう求めているが、西側諸国と金融機関が女性の権利を尊重しないタリバンを支援する可能性は低い。

G7外相とEU外交政策委員長は12日の共同声明で、「女性と少女に対する制限はタリバンを国際社会から孤立させている」と指摘した。

また外相らはタリバンに対し、女性と少女に対する制限を解除し、人権を尊重するための緊急行動を取るよう求めた。

スポンサーリンク