◎タリバンはIS-K(ホラサン州のイスラム国)として知られる新興のイスラム国関連組織の活動に頭を悩ませている。
2022年4月21日/アフガニスタン、マザリシャリフのモスク(Taliban/AP通信)

アフガニスタンの北部クンドゥズ州で22日、金曜礼拝中のモスクと宗教学校で爆弾テロが発生し、子供を含む少なくとも33人が死亡、43人が負傷した。

タリバンの情報副大臣は記者団に、「犠牲者と負傷者の多くが学生」と説明した。

同州では前日にも爆弾テロが2都市で発生し、少なくとも16人が死亡、数十人負傷。イスラム国(ISIS)関連組織が犯行声明を出していた。

クンドゥズ州警察の報道官はツイッターに、「モスクとイスラム神学校で少なくとも33人の死亡を確認した」と投稿している。

アフガニスタンでは昨年8月の政権奪取以来、爆弾テロは減少傾向にある。しかし、スンニ派のISISを含む一部のジハード組織は各地でシーア派に対する攻撃を続けている。

国連のアフガニスタン特別代表は、「今すぐテロをやめ、犯人を裁きなさい」とツイートした。

タリバンはIS-K(ホラサン州のイスラム国)として知られる新興のイスラム国関連組織の活動に頭を悩ませている。多くの専門家がIS-Kをアフガニスタンの新たな安全保障上の脅威とみなしている。

IS-Kは昨年10月にクンドゥズ州のシーア派モスクで発生した爆弾テロで少なくとも50人を殺害、100人以上を負傷させたと主張している。その1か月後、タリバンは東部ナンガルハル州のIS-Kの拠点とされる施設を攻撃した。

IS-Kは21日の爆弾テロについて、モスク内に爆弾が入った袋を隠し、礼拝に合わせて爆破したと主張した。「モスクが礼拝者で満たされた時、遠隔操作で爆破した...」

一方、タリバンは22日、クンドゥズ州とバルク州でIS-Kの元指導者を逮捕したと発表した。AP通信によると、この元指導者は21日のテロに関与したとして逮捕されたという。

IS-Kは昨年11月以降、活動を抑えているように見えたが、ここ数週間で活動を活発化させ、アフガニスタンや隣国パキスタンへの攻撃を繰り返している。

今月初めには首都カブールのシーア派地区で爆弾が2つ爆発し、学生7人が死亡、数人が負傷した。

IS-Kはタリバンが政権を奪取する数カ月前に発生した産科病院襲撃事件や、8月にカブール国際空港で発生した爆弾テロを主導したとされる。空港のテロでは撤退任務にあたっていた米兵13人を含む160人以上が死亡した。

またIS-Kは隣国パキスタンへの攻撃も強化しており、先月には北西部ペシャワールのシーア派モスクを爆破、礼拝者65人以上を殺害した。

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