◎進行中の飢餓危機は、過去数十年で最悪と見なされている深刻な干ばつと旧アフガン政府の崩壊が引き起こした。
2021年11月5日/アフガニスタン、首都カブール、世界食糧計画(WFP)の支援物資配給を待つ人々(Getty Images/AFP通信)

11月8日、国連世界食糧計画(WFP)は世界で飢餓の危機に瀕している人の数が今年初めの4,200万人から4,500万人に増加したと明らかにした。

WFPの報告書によると、アフガニスタンの食糧事情は今年初めに悪化し、8月のタリバン占領後、「地獄」に相当するレベルに達したという。

アフガニスタンで飢餓の危機に直面している人は人口の約60%に相当する約2,300万人。その中の5歳未満の児童約300万人は、年末までに深刻な急性栄養失調に苦しむと予想されている。

先週末アフガニスタンを訪問したWFPのデイビッド・ビーズリー事務局長は現地の記者団に、「世界は地球上で最悪の人道的危機を目撃している」と語った。「国民の95%は食糧を持っていません。次の6カ月は壊滅的なものになるでしょう。アフガニスタンは地球の地獄になります」

進行中の飢餓危機は、過去数十年で最悪と見なされている深刻な干ばつと旧アフガン政府の崩壊が引き起こした。

タリバンを含むアフガニスタンで生活する人々は、8月15日の政権崩壊以来、国内の現金を奪い合っている。西側諸国と主要な金融機関はアフガニスタンへの財政援助を断ち切り、中央銀行が米国内で保有して数十億ドルの資産は凍結された。結果、数百万人の公務員は給与を失い、輸入小麦は底をつき、国民の大半がWFPなどの人道機関の援助がなければ生活できなくなった。

旧政府は西側諸国の援助を得ることで厳しい冬を乗り切ることができた。しかし、基本的人権ではなくイスラム法を優先するタリバン政府の政策は西側の怒りを買い、援助は断ち切られた。

ビーズリー事務局長は主要先進国と世界の億万長者にアフガニスタンへの支援を呼びかけ、やせ細った子供を救ってほしいと訴えた。「世界の指導者と億万長者へ。あなたの子供や孫が飢え死にしかけていると想像してください。あなたはできる限りのことをするでしょう。先進国と億万長者は保有する400兆ドルの富を使って彼らを軽々と救い、WFPに恥をかかせてください...」

「WFPは子供たちを(資金不足で)飢え死にさせていますが、あなたたちは救えます。私たちは恥をかいても気にしません」

現地メディアによると、首都カブールの西に位置するマイダーンシャーで先週行われたWFPの配給には住民数百人が殺到したという。

タリバンの戦闘員はWFPの指示に従うよう住民に呼びかけ、配給を得る資格がないと言われた一部の人々は途方に暮れていた。

ある老人は英BBCニュースの取材に対し、「小麦がなく、パンを作ることができない」と語った。「冬はすぐそこまできています...」

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