映画、コンサート、テレビ番組、演劇、あらゆる分野が影響を受ける

 4月から5月は映画業界が最も盛り上がる時期である。2020年のブロックバスターもこの時期に集中しており、映画ファンは公開を心待ちにしているはずだ。しかし、コロナウイルスの影響を受け、公開延期を決めた作品も多く、ハリウッドは苦境に立たされている。以下は公開延期を決めた作品の一部である。

作品名
(原題)
全米公開日新しい
全米公開日
ワイルド・スピード ジェットブレイク
(Fast&Furious 9)
2020.5.222021.4
クワイエット・プレイスPART2
(A Quiet Place 2)
2020.3.20後日発表
007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
(007/No Time To Die)
2020.4.82020.11
ムーラン
(Mulan)
2020.3.27未定
(無期延期)
ニュー・ミュータンツ
(The New Mutants)
2020.4.3未定
(無期延期)

 ムーランの実写リメイクは、ディズニーの目玉作品のひとつ。ロンドンでのプレミアも大盛況に終わり、後は公開を待つのみだったが、延期が決まった。監督のニキ・カーロは「この映画を世界と共有できる日は目の前まで来ていた。残念ながら、ムーランの世界公開日は未定。」とコメントした。

 ブロードウェイ(4月12日まで閉鎖)の演劇、ミュージカルは軒並み中断、延期を余儀なくされている。また、多くのテレビ番組も撮影を中断している状態だ。

 聴衆の前で撮影するトークショー番組の中には、無観客状態で撮影/放映を継続しているものもある。ロサンゼルスを拠点とする「ジミー・キンメル・ライブ!」、「レイト×2ショー with ジェームズ・コーデン」などの大人気番組は、これからも無観客での放映を継続する予定だという

 エンタメ界は観客、視聴者があってこそ成り立つものであり、無観客で行っても意味はないと一部の者はいう。しかし、自宅に待機せざるを得ない視聴者にとって、テレビはニュースなどで情報を入手するだけでなく、娯楽も楽しめる貴重な媒体だ。テレビ関係者の多くが、コロナウイルス対策に万全を期し、視聴者に番組を届けるべく奮闘している。

 音楽業界でも、ライブコンサートが影響を受けつつある。世界最大のライブエンターテイメント企業「アンシュッツ・エンターテイメント・グループ(AEG)」と「ライブ・ネーション」は、3月に開催予定だったツアーの中止を発表した。

 今後影響を受けそうなツアーは、ビリー・アイリッシュ、シェール、KISS、ポスト・マローン、クリス・ステイプルトンなど。しばらくは厳しい舵取りを強いられそうだ。

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