コロナウイルスへの誤った対処療法、誤解を招くアドバイス

 約14億人が生活するインド。同国でのコロナウイルス症例は比較的少ない値で水位している。ここでは、インド発の誤ったコロナウイルス対処療法を紹介したい。

 インドでは牛の糞と尿を治療薬として利用する風習がある。インド連邦議会、与党、ジャナタ党の議員であるスマン・ハリプリヤ氏は、SNSで牛の糞と尿がコロナウイルス予防/対策に効果があると発信した

 インドウィルス学会のシャイレンドラ・サクセナ博士はBBCに対し、「牛の尿に抗ウイルス特性を示す医学的証拠はない。また、牛糞には様々なウィルスが含まれており、間違っても不要に摂取しないこと、コロナウイルスが含まれている可能性もあり得る」と述べた。

 「Cowpathy(コンパシー)」は、牛糞石鹸の他にアルコールを含まない消毒液も販売している。同社のホームページをチェックすると、軒並み在庫切れ、販売を制限している状態だ。

 WHOはアルコールを含む消毒液で手、指を消毒することが重要と述べている。牛糞消毒液を利用するのは本人の勝手だが、それが原因でコロナウイルスが蔓延するような事態は避けてほしい。

 先週、ハリヤナ州の保健大臣アニル・ヴィジは、「ベジタリアンになろう。コロナウイルスは、様々な種類の動物を媒体にする。動物を飼う、肉を食べる、それは人類に危険を及ぼす行為だ」とツイートした。

 家畜生産を監督する省は、ヴィジ大臣の発言に猛反発。この発言後、卵と鶏肉の販売が減少する事態を招いた。食品規制当局は、動物の肉を食べることでコロナウイルスに感染する、という証拠は見つかっていないと述べた。

 コロナウイルスが世界に拡散したことで、一部の企業はウイルスと戦う製品を次々と発売している。「抗コロナウイルスマットレス」はその代表であろう。このマットレスの販売元は、「抗菌、抗アレルギー、防塵、防寒、防水」あらゆるものから身を守ることができる、と宣伝した。しかし、根拠のない広告はすぐ削除された。

牛糞、尿、ベジタリアン、マットレス、どれもコロナウイルスから身を守る手助けには「恐らく」ならない。世界中で行われているコロナウイルス対策は以下の通りだ。
①不要な外出を避ける。外出する際はマスクを装着する。
②人ごみには極力近づかない。
③手洗いうがいを励行する。
④栄養のある食事をとる。
⑤睡眠をしっかりとる。
⑥誤った情報に惑わされない。

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