感染が拡大する。同時に誤った情報もインターネット上に拡散される

立ち止まって考える

コロナウイルスの感染拡大が止まらない。誰もが家族や友人、知人を助けたいと考える。インターネットをチェックし、「〇〇地域で感染が拡大した」「△△地域で暴動が発生している」「石油危機が発生し、トイレットペーパーが品薄になる」などといった最新情報を入手したら、知り合いに転送したくなるはずだ。

しかし、まず立ち止まって考えることを忘れてはならない。「インターネットで検索した情報だからきっと正しい」「早く大切な人に教えないと大変だ」。焦ってはいけない。1mmでも疑問を感じたら、一旦停止、深呼吸したのち情報を良く見直してほしい。

ソースを確認する

情報を転送する前に、記載されている内容の出自、ソースをチェックしなければならない。ソースが「友達から聞いた」「母の友人の友人が言っていた」といった感じだと、かなり危険だ。

人から伝わる情報を正確に伝達することは非常に難しい。「〇〇くんがケガをした」という情報を友人に伝え、「〇〇くんがケガをした。ヤバイらしい」に変化。その話を聞いた友人の母は、「〇〇がヤバイらしい。銃を持っているかも」になってもおかしくない(少し極端過ぎるかもしれないが)。

コロナウイルスに関する情報でも同じような事例が散見される。感染拡大を防ぐために「手洗い」を心がけよう、という記事の中に、「ビタミンを摂取すれば免疫力が向上し、ウィルスに感染しなくなる」と書かれていたりする。

ビタミンを摂取すればコロナウイルスに感染しなくなる、という情報は完全に誤りである。犬が見ても分かる誤情報だ。オレンジジュースでエボラ出血熱やガンを治癒させよう、と同じくらい馬鹿らしい話である。

最も信頼できるソースは世界保健機関、アメリカの疾病管理予防センター、各国政府の発表する情報である。もちろん、同サイトから発信する情報が全て正しい(?)とも限らない。プロ中のプロは誤った情報を発信しない。ただし、「更新」することはあるので、常に最新情報をチェックしたい。

本当に本当?

体裁(見た目)をしっかり整えたサイトは、不信感を与えにくい。しかし、「見た目が良ければ情報も正しい」と決めつけてはいけない。CNNやBBC、各国政府の公式アカウントのように「見せかけた」サイト、関係当局に「なりすました」サイトは危険である。

それらは、インターネット上に拡散される写真やスクリーンショットを駆使し、正しい情報であるように見せかける。しかし、見分けることは可能だ。不信なサイトなどに掲載された情報を検索すれば良い。URLを確認したうえで、大手の報道機関、政府の公式サイトの情報、ニュースを読む。

正しいと思った情報がどこにもなければ、デマである可能性が高い。さらに注意してほしいのは、不審なサイトに添付されたリンク、ファイルなど。それらをクリックすると他の画面に誘導され、個人情報の入力を迫られたり、ウイルスに感染する可能性もある。

共有しない

ツイッター上に溢れる情報の多くは、「何とかなくヤバイ」「何となくイイ感じ」「何となくカッコいい」といった感じで転送、リツイートされている。これは非常に危険な行為なのでやめるべきである。

発信者(ソース)は他のユーザーだから、リツイートしようがしまいが自分の勝手」ではいけない。あなたが転送した情報を何十人、何百人、何千人が見るかもしれない。正しい情報であれば良いが、もし違ったら。そして、あなたの情報を見た1,000人のうち10人が同じようにリツイートしたら。

要は、「何となく」で情報を共有するな、ということだ。また、正しいと「思われる」情報も同様である。トイレットペーパーが品薄になる、という誤った情報が拡散され、大変な事態を招いたことは記憶に新しいはず。何も考えず、もしくは良かれと思って共有した結果、大混乱を招く事態になったのだ。

事実を個別に確認する

ちょっとしたアドバイスの見極めは意外と難しい。正しい情報と誤った情報が混同している場合はなおさらだ。なかには、動画や音声メモで共有された情報を「音声ソフト」で変換し、誤った字幕・コメントをつけ転送、という悲しい(情けない)事例も散見される。「音声ソフトに問題がある」と指摘しないでほしい。転送したのは自分自身なのだから。

情報量の多いアドバイスも注意が必要だ。また、「80%正しく20%間違い」「10%正解90%間違い」、前者の情報の方が正しい内容をたくさん書いているから共有しよう、ではない。少しでも間違いがあれば、それは正しい情報ではなくデモだ、と認識しなければならない。

導入部分(前書き)が正しいから大丈夫」、という考えも危険である。ひとつ正しいことを書いているから信用できる、と決めつけないこと。

感情的な投稿

人間誰もが感情的になる。特に辛い、悲しい、怖い情報であればなおさらだ。投稿者は感情の思うままにコメント記載、情報を拡散する。

情報を発信する際に、最も気をつけねばならない感情は「恐怖」である。それに誤った情報、デマがプラスされると、手の付けられない事態を招きかねない。「○○でパンデミックが発生した」という誤った情報を見たあなたは、恐怖に駆られ「感情的なコメントを付け加えたうえで」それを転送する。

感情的なコメントが間違いとは言わない。しかし、恐怖に駆られたとはいえ、誤った情報を転送、拡散させるのは良くない。恐怖は伝達する。冷静な人は情報・ソースの成否をしっかりチェックするだろう。しかし、あなたと同じように恐怖を感じ、さらに「感情的な誤った情報」を追記したうえで転送すれば、さらなる混乱を招く恐れもある。

インターネット上に誤った情報が拡散され続ければ、正解を判断することすら難しくなるだろう、

思い込み

コロナウイルスに関連する情報(それ以外も)を共有、転送するのであれば、「100%正解」であると確約できねばならない。ここまで紹介してきたチェック事項を駆使したうえでだ。

思い込みも良くない。「きっと大丈夫」「たぶん正しい」「大丈夫だろう」ではダメだ。ここまで紹介した情報を以下にまとめる。全てクリアすれば正しい情報であろう。たぶん・・・

●立ち止まって考える。焦るな
●ソースを確認する。URLチェックを怠るな
●本当に本当?なりすましに騙されるな
●共有しない。何となくイイ感じ?
●事例を個別に確認する。チェック!チェック!チェック!
●感情的な投稿。誤った情報であれば意味がない
思い込み。自分を信じ過ぎるな

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