◎ジンバブエはアフリカ最大のたばこ生産国である。
タバコと灰皿(Markus Spiske/Pixabay)

アフリカ南部・ジンバブエ当局は13日、今年の「たばこの葉」の生産量がエルニーニョ現象の影響で激減するという見方を示した。

たばこ産業マーケティング委員会の委員長は首都ハラレの式典で、「今シーズンの生産量は昨年の2億9600万キログラムを大幅に下回る2億3500万キロにとどまる」と予測した。

ジンバブエはアフリカ最大のたばこ生産国である。

同委員会によると、ジンバブエで生産されるたばこのほとんどが小規模農家によるもので、異常気象の影響を受けやすいという。

ジンバブエはたばこの大部分を中国に輸出。西欧、東欧、アフリカでも取引している。

たばこ産業マーケティング委員会によると、昨年のたばこ輸出額は12億ドルに達し、22年の9億7500万ドルを大きく上回ったという。

ジンバブエにとって、たばこは金などの鉱物に並ぶ重要な外貨獲得源である。

農業省の報道官は13日、同委員会の発表に言及。「同国のたばこ農家の75%が雨に頼る小規模農家であり、干ばつの影響を受けにくいメガファームはごくわずかである」と述べた。

ジンバブエを含む多くのアフリカ諸国がエルニーニョ現象による雨不足と高温に直面。食料の確保が困難になっている国も少なくない。

南部ザンビアは先月末、前例のない水不足が発生しているとして、干ばつ非常事態を宣言した。

ジンバブエのたばこ生産量は1998年の約2億4000万キロから10年後には5000万キロ以下に激減。その後、生産者の大半を占めていた数千人の白人農家が中央政府の政策により立ち退きを余儀なくされた後、回復した。

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