◎大雪と暴風をもたらす「爆弾低気圧」は米国全土に影響を与えている。
2022年12月26日/米ニューヨーク州バッファローの大通り(Kathy Hochul/AP通信)

ニューヨーク州当局は26日、歴史的な大雪がバッファローなどの西部地区に甚大な被害をもたらし、これまでに28人の死亡を確認したと発表した。

バッファロー出身のホークル(Kathy Hochul)州知事は地元を「戦場」にたとえ、市民に自分と家族の命を守るよう呼びかけた。

州当局によると、中心部のこの2日間の積雪量は過去最悪規模に達し、2日以上車内に閉じこめられた市民もいたという。

国立気象局(NWS)は市内でさらに積雪が進み、27日の24時間積雪量は23cmに達すると予想している。

AP通信によると、カナダとメキシコの大雪に関連する死者はこれまでに56人確認されたという。

バイデン(Joe Biden)大統領は26日、NY州政府の非常事態宣言を承認し、連邦政府の予算を割り当てるとツイートした。またバイデン氏は犠牲者と遺族に哀悼の意を表した。

バッファローの行政官はAP通信の取材に対し、「雪に慣れていないことが死者の増加につながった」と語った。

当局によると、NY州の死者の大半はバッファローで確認され、その一部は雪かきの最中に心臓発作を起こし死亡したという。

車内で亡くなった人も複数確認されている。死因は明らかになっていないが、ABCニュースは当局者の話を引用し、「一酸化炭素中毒もしくは凍死が多いのではないか」と報じた。

ホークル知事は記者会見でバッファローを戦場と呼び、恐ろしい光景が広がっていると述べた。

NY州政府は公式ホームページに「車内で暖を取る際はマフラーが雪に埋もれないよう注意してほしい」と呼び掛けている。

報道によると、除雪作業が思うように進まなかった影響で救急車が現場にたどり着けず、一部の救急車は現場に到着する前に雪に埋もれてしまったという。

CBSニュースの取材に応じた夫婦は2歳と6歳の子供と車内で暖を取り、救助されるまで11時間耐えた。

父親は取材に対し、「絶望的な状況だったが、子供たちとゲームをして寒さに耐え、生還した」と語った。

当局は多くの市民が車内で身動きが取れずにいる可能性があり、死者数はさらに増えると予想している。

大雪と暴風をもたらす「爆弾低気圧」は米国全土に影響を与えている。

NWSによると、嵐は数日以内に収まる見込み。連邦・州政府は市民に対し、不要不急の外出を控えるよう繰り返し呼びかけている。

週末には100万戸以上が停電したものの、電力は徐々に復旧しているようだ。

バーモント州、オハイオ州、ミズーリ州、ウィスコンシン州、カンザス州、コロラド州で死者が報告されている。温暖なフロリダ州も気温が急降下し、イグアナが凍りついた。

西部モンタナ州の最低気温はマイナス45度を記録した。

カナダではオンタリオ州とケベック州が嵐に見舞われた。

カナダ西部ブリティッシュコロンビア州では旅客バスが高速道路で横転し、少なくとも4人が死亡、36人が負傷した。

2022年12月26日/米ニューヨーク州バッファローの住宅地(Craig Ruttle/AP通信)
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