◎西海岸の上空には強力な高気圧が居座り、雨が降らず、気温を押し上げている。
2023年7月13日/米テキサス州ヒューストン(Getty Images/AFP通信)

米国の西海岸で熱波が強まり、南西部からワシントン州にかけて高温警報が発令されている。

国立気象局(NWS)は14日時点でフロリダ州、テキサス州、カリフォルニア州などに警報を出し、約9300万人が警報・注意報の影響を受けている。

南部テキサス州ではクーラーの使用量が急激に高まり、電力消費量の記録を更新した。停電は発生していないものの、電力各社は不要な照明を消すなどして、できる範囲で節電を行うよう消費者に呼びかけている。

NWSは熱波の範囲が拡大する可能性があると警告している。

それによると、今後数日間で、約2700万人が43度以上の気温に直面する可能性が高いという。

西海岸の上空には強力な高気圧が居座り、雨が降らず、気温を押し上げている。当局はカリフォルニア州などで山火事のリスクが高まっていると警告している。

NWSはこの高気圧を「かつて経験したことのない、最強の高気圧」と呼んでいる。

疾病予防管理センター(CDC)によると、全米の熱中症による年間死者数は約700人。今年はそれを上回る可能性があるという。

西海岸の14日と15日の最高気温は広い範囲で45度を超えると予想されている。砂漠地帯の気温は50度を超える可能性もあるようだ。

ネバダ州ラスベガスのNWS支局はこの地域の歴代最高気温47度を上回ると予想。地球上で最も暑い場所のひとつであるカリフォルニア州デスバレーは50度を超え、公式の歴代最高気温である54度に迫る可能性がある。

南西部の一部地域は先週から猛烈な暑さに見舞われている。テキサス州とアリゾナ州の最高気温はこの1カ月、40度以上を維持している。

気温は夜になっても下がらず、多くの地域で30度前後を維持すると予想されており、寝るときもクーラーが欠かせない。

テキサス州の電力需要は2日連続で過去最高を更新した。

同州の電力系統の90%を運用するアーコット(ERCOT)によると、13日の使用量は速報値で8万1406メガワットに達し、12日の記録8万1351メガワットを上回った。

アーコットは14日の消費量もこの規模になると予想。供給量は需要を上回っており、発電設備や送電線でトラブルが発生しない限り、停電が発生する可能性は低いとしている。

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