◎多くの市民がクリスマス休暇を前に空港に殺到した。
2022年12月22日/米ミネソタ州、ミネアポリスの空港(Kerem Yücel/Minnesota Public Radio)

政府は22日、強力な低気圧が全国の広い範囲に影響を与えているとして、市民に外出と渡航を控えるよう強く呼びかけた。

北極圏から流れ込む強力な寒気と低気圧は米国とカナダの一部で猛威を振るい、1年で最も忙しい旅行シーズンに影響を与え、各地で大混乱を引き起こしている。

国立気象局(NWS)によると、気象警報の対象になっている地域は北西部ワシントン州から東部メリーランド州にかけて広がり、22日時点で1億人以上が影響を受けているという。

NWSも市民に不要不急の外出を控えるよう呼びかけているが、多くの市民がクリスマス休暇を前に空港に殺到した。

主要空港は嵐を予測して数千便のキャンセルを決めている。

ABCニュースは気象学者の話を引用し、「過去数十年で最悪の冬の嵐がやって来る」と警告した。

NWSによると今週末の各地に最低気温は軒並み氷点下となり、南部テキサス州でもマイナス15度に達する可能性があると予想している。

豪雪と凍てつくような寒さをもたらす低気圧は北西部の太平洋岸から東に進み、ロッキー山脈を越え、東に進んでいる。

NWSはこの低気圧が今週末には米加国境付近に連なる五大湖を直撃し、「爆弾低気圧」になる可能性があると警告した。

寒気はメキシコ国境付近に到達し、テキサス州エルパソの週末の気温は強風の影響でマイナス15度まで下がると予想された。

南部フロリダ州当局も「この30年で最も寒いクリスマスになる」と警告している。

NWSはこの低気圧を「一世代に一度の気象現象」と呼び、五大湖周辺でカテゴリー3まで成長すると予想した。

<ハリケーンのカテゴリー>
▽カテゴリー1:秒速 33~44(m/s)
▽カテゴリー2:秒速 43~49(m/s)
▽カテゴリー3:秒速 50~58(m/s)
▽カテゴリー4:秒速 58~70(m/s)
▽カテゴリー5:秒速 70~(m/s)

各地の電力会社は暴風と降雪で停電が発生する恐れがあると警告している。

水道事業者は水道管の凍結・破裂を防ぐために蛇口を開けっ放しにするよう呼びかけている。

ケンタッキー州、ノースカロライナ州、ジョージア州、オクラホマ州の知事が非常事態を宣言した。

ニューヨーク州バッファロー市も非常事態を宣言し、23日は市内の全学校を休校にすると発表した。

メリーランド州は嵐が本格化する前に避難を終えるよう市民に命じ、多くの州が発電機付きの避難所を開設した。

コロラド州政府はデンバーコロシアム(アリーナ)を避難所に改造している。

バイデン(Joe Biden)大統領は22日、「26州の知事と連絡を取り、必要な支援を速やかに提供する準備を整えた」と声明を出した。

またバイデン氏も市民に不要不急の外出と渡航を控えるよう呼びかけ、関係機関の警告に従ってほしいと訴えた。「歴史的な嵐に備えてください...」

2022年12月22日/米ミネソタ州、ミネアポリスの公園(Abbie Parr/AP通信)
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