◎ある乗客は窓を割って脱出したと伝えられている。
2022年8月17日/スペイン、カステリョンデラプラナ郊外で発生した山火事(Alberto Saiz/AP通信)

スペイン当局は17日、東部バレンシア州の山火事が線路に接近したため、走行中の旅客列車が停止を余儀なくされたと報告した。

警察によると、バレンシア州郊外を走行していた列車は16日遅く、山火事が線路に近づいているという情報を受け、最寄りの駅まで逆走することを決めたという。

運転士が方向転換の準備を進めていると、一部の乗客がパニックを起こし列車から飛び降りた。スペイン国営RTVEテレビは少なくとも10人が負傷したと報じている。

ある乗客は窓を割って脱出したと伝えられている。

カステリョンデラプラナの自治体職員は、東部で猛威を振るう炎と命からがら逃げだす消防士たちの動画をツイートしている。

列車に影響を与えた山火事は、バレンシア州で制御不能状態にある2つの山火事のひとつである。

消防によると、同州南部で延焼を続ける山火事の焼失面積は115㎢に達し、この数日で付近の町や村の住民1500人以上が避難を余儀なくされた。

もうひとつの山火事は推定100㎢を焼け野原に変え、約1500人が避難したと報告されている。

バレンシア州政府は17日、二つの巨大な山火事は100km以上の範囲に影響を与えていると報告し、炎が近づきつつある地域の住民に避難を呼びかけた。

欧州森林火災情報システム(EFFIS)によると、スペインの今年の焼失面積は17日時点で2750㎢に達した。集計を開始した2006年から2021年までの平均焼失面積は約670㎢であり、今年は8月時点で過去最高を大幅に更新している。

隣国ポルトガルの中部でも同国最大の自然保護区が12日間燃え続けている。

ポルトガルの気象当局によると、数日以内に新たな熱波が北アフリカから流れ込むと予想され、高温と乾燥に拍車をかける可能性が高いという。

同国中部の煙は約400km離れたスペインの首都マドリードに到達した。

2022年8月17日/スペイン、カステリョンデラプラナ郊外(Alberto Saiz/AP通信)
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