◎欧州では昨年、熱波により6万人以上が亡くなった。
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南ヨーロッパとアフリカ北西部の一部地域が熱波に覆われている。
イタリアの気象台は12日、ローマやフィレンツェなどの最高気温が45度を上回る可能性があると警告した。
スペイン、フランス、ギリシャ、クロアチア、トルコの広い範囲でも今後数日、最高気温が40度を超えると予想されている。
イタリアの気象台は少なくとも10都市に熱中症・熱波警報を発令した。地元当局によると、同国北部で40代の男性が熱中症とみられる症状で倒れ、その後死亡したという。
国営イタリア放送協会(RAI)は警察関係者の話しとして、「ミラノ近郊の町で44歳の土木作業員が熱中症とみられる症状で倒れ、その後死亡した」と伝えている。
メローニ(Giorgia Meloni)首相の報道官は声明で、「可能な限り外出を控える必要がある」と国民に呼びかけた。
ローマの観光地コロッセオでも観光客数人が熱中症で倒れ、病院に搬送されたと伝えられている。
イタリアの気象台はこの熱波を「ケルベロス(ギリシア神話に登場する冥界の番犬)」と名付け、今後数日間は極端な高温が続くと警告した。
それによると、熱波は14日にピークを迎え、南欧の広い範囲で40~45度、あるいはそれ以上になる可能性があるという。
欧州の歴代最高気温はイタリアのシチリア島で2021年8月に記録した48.8度である。
欧州では昨年、熱波により6万人以上が亡くなった。専門家は今年、アフリカ北部から流れ込む熱波の規模が昨年を上回ると予想している。
世界気象機関(WMO)によると、2023~27年の世界の気温は観測史上最も高く、暑くなる可能性がほぼ確実だという。