◎ソマリアで進行中の干ばつは過去最悪レベルと考えられており、国土の90%が極度の干ばつに見舞われている。
ソマリアの難民キャンプ(Getty Images)

国連は6日、東アフリカのソマリアで過去に類を見ない干ばつが続き、「壊滅的な緊急事態」が発生していると警告した。

国連のソマリア担当人道調整官はアラブ連盟(Arab League)との合同会議で、「ソマリアは5年連続で雨期を逃し、枯れ果てている」と語った。

国連人道問題調整事務所(OCHA)やユニセフなどによると、ソマリアの人口のほぼ半分に相当する約780万人が干ばつの影響を受け、昨年1月以来、食料を確保できないという理由で約130万人が避難したという。

避難者の大半は人道機関の難民キャンプ、一部は国外に逃亡したと考えられている。

国連ソマリア担当はSNSに、「少なくとも670万人が年末までに緊急の人道支援を必要としている」と投稿。国際社会にも支援を呼びかけた。

アラブ連盟も深刻な懸念を表明している。

連盟の報道官は記者会見の中で、「ソマリアで飢餓または飢餓に近い状態で生活している人の数は今年初めから5倍に増えた」と警告した。

また報道官は「貴重な資源をめぐる争いが発生し、政治危機を引き起こしている」と指摘した。

ソマリアで進行中の干ばつは過去最悪レベルと考えられており、国土の90%が極度の干ばつに見舞われている。

ロシアのウクライナ侵攻に端を発する小麦不足と食料価格高騰も危機に拍車をかけている。さらに、食料不足がもたらす混乱は暴力を引き起こし、最も弱い立場の子供が犠牲になっている。

2011年の大飢饉の死者数は26万人と推定されている。国際NGOオックスファムによると、そのおよそ半分が飢餓宣言が出る前に亡くなったという。

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