◎ナイジェリアの雨季は5月~9月。この時期は特に低地と河川沿いで洪水が発生しやすい。
2022年8月30日/ナイジェリア、北東部ボルノ州郊外の集落(Getty Images/AFP通信)

ナイジェリア政府は31日、全国各地で大雨による洪水被害が相次ぎ、今年に入ってから少なくとも50万人が被災し、100人以上が死亡したと発表した。

ブハリ(Muhammadu Buhari)大統領は声明で、北東部地域を中心とする壊滅的な洪水で7万3000人以上が避難民になり、100人以上が死亡、270人が負傷したと述べた。

ナイジェリア国営テレビによると、全国36州のうち23州で洪水被害が確認され、特に北東部州が大きな被害を受けたという。

ブハリ氏は、「現地で被災者を支援している専門家チームや医療支援を提供している国際機関などから定期的に最新情報を受け取っている」と説明した。

またブハリ氏は1月以降の被災者が50万人を超え、その多くが自宅を失い親戚や友人宅に身を寄せ、7万3000人以上が難民キャンプに避難したと述べた。

北東部ボルノ州は広い範囲が冠水し、数万人が被災したと考えられている。同州にはナイジェリア最大の反政府勢力と考えられているイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」の拠点がある。

ボコ・ハラムはナイジェリア政府だけでなく周辺国にも攻撃を仕掛けている。その目的は厳格なイスラム法に基づくイスラム国家を建設することである。

ボルノ州の州都マイドゥグリの住民はAFP通信の取材に対し、「少なくともこの20年、このような大洪水を経験したことは一度もなかった」と語った。

AFPによると、マイドゥグリ郊外のある集落には住民とみられる水死体が普通に放置されていたという。

ナイジェリア北東部で10年以上続いている紛争では4万人以上が死亡し、ボルノ州を中心に200万人以上が故郷を追われた。

ナイジェリアの雨季は5月~9月。この時期は特に低地と河川沿いで洪水が発生しやすい。

約10年前の大雨では全国のほとんどの州で冠水が報告され、数百人が死亡、200万人以上がホームレスになった。

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