◎サイクロン・ガブリエルは13日中にオークランドを縦断する見込み。
2023年2月12日/ニュージーランド、オークランド空港の出発ロビー(George Heard/NZ Herald)

ニュージーランドの最大都市オークランドの市民は12日、サイクロン・ガブリエルの接近に備え、窓ガラスを補強したり、土嚢を積むなどの洪水対策に追われた。

テレビジョン・ニュージーランド(TL)によると、オークランドの鉄道は軒並み運休となり、学校も休校を決めたという。当局は不要不急の外出を控えるよう呼びかけている。

予報官によると、ガブリエルは13日中にオークランドを縦断する見込み。カテゴリーは2から1に下がったものの、北部の広い範囲に暴風雨をもたらすと予想されている。

<ハリケーンのカテゴリー>
▽カテゴリー1:秒速 33~44(m/s)
▽カテゴリー2:秒速 43~49(m/s)
▽カテゴリー3:秒速 50~58(m/s)
▽カテゴリー4:秒速 58~70(m/s)
▽カテゴリー5:秒速 70~(m/s)

ニュージーランド航空は14日の正午までオークランドを発着するすべての国内線と、一部の国際線をキャンセルした。一部の国際線は運航を継続するが、天候によっては他の空港に迂回を求められる可能性がある。

オークランド北部の一部地域の24時間雨量は200mmを超えたと伝えられている。電力会社によると、12日午前の時点で約5万8000世帯が停電した。

最北部ノースランドやオークランドなど、いくつかの自治体が非常事態を宣言している。

TLの気象予報士は12日の放送で、「大雨、強風、土砂崩れ、高潮に備える必要がある」と述べ、非常事態が発令されている地域の市民に命を守る行動を取るよう呼びかけた。

TLによると、ヒプキンス(Chris Hipkins)首相を含む一部の連邦議会議員はオークランドから首都ウェリントンに移動できず、14日に予定されている通常国会の開会式を欠席する可能性が高くなったという。

ヒプキンズ氏は12日の記者会見で、「油断せず、当局が発信する情報と最新の気象情報をチェックし、身の危険を感じる前に行動を起こしてほしい」と呼びかけた。

またヒプキンス氏は「ガブリエルの影響を受けていない地域の住民も万一に備えて避難準備を整えておくことが重要だ」と述べた。

ガブリエルはNZの北に位置するオーストラリア領ノーフォーク島の近くを通過した。

ノーフォーク島の自治体は12日、非常事態宣言を解除した。地元メディアによると、一部地域で停電が発生したものの、現時点で負傷者は確認されていないという。

オークランドは2週間前の大雨で広い範囲が冠水し、郊外では土砂崩れも発生した。この大雨と土砂頽れにより4人が死亡。民家数百戸が被災した。

2023年2月12日/ニュージーランド、北部ノースランドの道路(Michael Cunningham/Northern Advocate)
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