◎フレディは世界の歴史上、最も長く暴風雨を維持したハリケーンになる可能性がある。
2023年3月9日/モザンビーク東部の集落(EPA通信/Getty Images)

アフリカ南部モザンビーク当局は11日、サイクロン・フレディが中部地域に再接近し、まもなく上陸すると発表した。

フレディは先月上旬にオーストラリア北西部沖で発生。インド洋を西に進み、先月21日にマダガスカルに上陸、その後モザンビークに移動し、周辺海域で勢力を強め、マダガスカル西部の広い範囲に2度目の被害をもたらし、モザンビークに再接近している。

モザンビーク政府によると、一部地域の過去4週間の雨量は平年の年間降水量を上回ったという。

フレディは世界の歴史上、最も長く暴風雨を維持したハリケーンになる可能性がある。11日午前の勢力はカテゴリー2。モザンビーク海峡でさらに勢力を強める恐れがある。

<ハリケーンの勢力>
▽カテゴリー1:秒速 33~44(m/s)
▽カテゴリー2:秒速 43~49(m/s)
▽カテゴリー3:秒速 50~58(m/s)
▽カテゴリー4:秒速 58~70(m/s)
▽カテゴリー5:秒速 70~(m/s)

モザンビーク政府は11日、過去24時間で1人の死亡を確認したと発表。これで1回目の上陸以降の死者数は28人となった。

国連はこの暴風雨で50万人以上が人道的危機に陥る可能性があると警告している。中部と東部の住民は学校、教会、地元企業の倉庫などに避難し、支援を待っている。

ロイター通信によると、中部の集落で民家が倒壊し、1人が死亡したという。

国営テレビは電力会社の声明を引用し、「全土で停電が発生し、空港も全便欠航になった」と報じている。

フレディはモザンビーク沖をゆっくり西に進む、まもなく中部沿岸に上陸するとみられる。

海峡に面する中部ザンベリア州の港町では多くの住民が避難を余儀なくされた。ある住民はロイター通信の取材に対し、「屋根が吹き飛び、窓ガラスが割れ、道路が水浸しになっている」と語った。

フレディはオーストラリアからインド洋を8000km西に進み、アフリカ南部に接近した。

モザンビーク政府によると、先月の上陸以来、150万人以上が被災し、8000人以上が住まいを失ったという。

被災地では国連やユニセフなどが人道支援活動に当たっているものの、フレディの再来でこの活動が妨げられるという懸念が高まっている。

近隣のマラウイでも大雨が続いている。同国ではコレラが大流行しており、昨年3月に最初の患者が報告されて以来、3万人以上が感染、1000人以上が死亡している。

世界気象機関(WMO)は今週、ジンバブエ北東部やザンビア南東部を含む広い範囲でも被害が拡大する恐れがあると警告した。

2022年2月22日/マダガスカル、首都アンタナナリボ郊外、サイクロン・フレディの影響を受けた住宅地(Solofo Rasolofomanana/AP通信)
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