◎メキシコの2021年の二酸化炭素排出量は世界全体の約1.1%。
メキシコ政府は12日、温室効果ガスの排出削減目標を引き上げ、再生可能エネルギー開発を促進すると発表した。
エブラルド(Marcelo Ebrard)外相はエジプト東シャルムエルシェイクで開催中のCOP27(国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議)で演説し、「2030年までに温室効果ガスを何もしない場合の排出量と比較して35%削減する」と説明した。
メキシコの削減目標は他国とは異なり、「基準年」を設定していない。2年前に公表した削減目標は22%だった。
日本は2030年までに「2013年比」で温室効果ガスを46%削減、2050年までにカーボンニュートラルを目指すとしている。
エブラルド氏はこの目標を達成するために、今後8年間で再生可能エネルギーへの投資を倍増させ、森林保護地域を拡大し、電気自動車の利用を促し、天然ガス産業にメタン削減を求めるとした。
エブラルド氏と共に記者会見に臨んだ米国のケリー(John Kerry)米大統領特使(気候変動問題担当)は、メキシコ政府の決定を歓迎した。
ケリー氏は記者団に対し、「メキシコの目標は昨年のCOP26から大きく進化した」と語った。
またケリー氏はメキシコが再生可能エネルギーへの投資強化を打ち出したことについて、「メキシコは太陽光と風力に恵まれ、それを推進すれば天然ガスの生産を抑えることができる」と説明した。
メキシコの2021年の二酸化炭素排出量は世界全体の約1.1%。