◎ミチョアカン州は同国で最も危険な州のひとつであり、麻薬組織「シナロア・カルテル」とつながりのあるギャングの支配下に置かれている。
メキシコの環境活動家たち(Getty Images)

メキシコ当局は23日、南部ミチョアカン州で環境活動家が殺害され、捜査を進めていると明らかにした。

ミチョアカン州は同国で最も危険な州のひとつであり、麻薬組織「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」とつながりのあるギャングの支配下に置かれている。

州警察によると、土地開発に反対する活動家のシスネロス(Alfredo Cisneros)氏が今週、郊外の集落で何者かに射殺されたという。

シスネロス氏は集落のコミュニティリーダーを務める環境活動家であり、自治体職員として働いていた。

ミチョアカン州の企業や団体は土地を切り開き、米国への輸出で大きな利益を上げているアボガド農場を建設してきた

ミチョアカン州では先月にも環境活動家2人が殺害されている。2人の遺体は郊外の道路に放置されていた。

ミチョアカン州の先住民評議会は23日、「シスネロス氏は森林と先住民族の権利を擁護する人民の代表であった」と声明を出した。

同評議会によると、シスネロス氏は松林の違法伐採を取り締まるよう警察に相談したり、アボガドの生産を過剰に後押しする州政府の方針に反対を表明したりしていたという。

同評議会は声明の中で、「この地域で活動する武装ギャングは州政府の土地開発を後押ししている」と述べている。

ミチョアカン州は何十年もの間、メキシコで唯一、米国市場へのアボカド輸出を許可されていた。

いくつかの集落は伐採業者やアボカド園の進出を阻止したものの、その後も開発者の圧力と暴力に悩まされているようだ。

専門家によると、麻薬カルテルはアボガド園を利用して利益を上げている可能性があるという。

ある活動家はSNSに、「州政府はアボガド生産を後押しし、土地開発に反対する環境活動家や団体への敵意を増幅させた」と投稿している。「州政府はアボガド生産を阻止する活動家は敵と遠回しに批判しています。多くの活動家が嫌がらせや暴力に直面しているにもかかわらず、ギャングとつながりのある汚職警察官は暴力を見逃し、場合によってはギャングと一緒に活動家を拉致することもあるのです...」

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