◎多くのアフリカ諸国がエルニーニョ現象による雨不足と高温に直面。自給自足生活を送る数千万人が食料の確保に苦労している。
マラウイの住宅街(Getty Images)

アフリカ南部・マラウイ政府が23日、全国28地区のうち23地区が深刻な水不足に直面しているとして、干ばつ非常事態を宣言した。

大統領府の報道官はSNSに声明を投稿。「この危機を乗り越えるためには2億ドル以上の緊急人道支援が必要である」と書き込んだ。

多くのアフリカ諸国がエルニーニョ現象による雨不足と高温に直面。自給自足生活を送る数千万人が食料の確保に苦労している。

アフリカ南部・ザンビア政府も先月末前例のない深刻な水不足が発生しているとして、干ばつ非常事態を宣言した。

その隣国ジンバブエでも農作物が壊滅的な被害を受けており、非常事態の宣言が検討されている。

国連世界食糧計画(WFP)は昨年末、エルニーニョの影響によりアフリカ南部の多くの国で飢餓のリスクが急激に高まっていると警告していた。

それによると、アフリカ南部と中部の一部地域は過去数十年で最悪の水不足に見舞われ、5000万人近くが食糧不安に直面している。

米国際開発局(USAID)もエルニーニョの影響により、2024年初頭にはアフリカ南部で2000万人以上が緊急の食料支援を必要とすると述べていた。

WFPによると、ザンビアとジンバブエの先月の雨量はほぼゼロ。過去40年間で最も乾燥した2月となり、マラウイ、モザンビーク、アンゴラの一部でもほとんど雨が降らなかったという。

アフリカ南部で生活する数千万人が自給自足生活を送っている。その主食はトウモロコシであり、WFPによると、その収穫量は干ばつの影響で激減する可能性が高いという。

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