◎国連はこの水害がコレラの感染拡大に拍車をかけると警告している。
2023年3月27日/マラウイ、サイクロン・フレディの被害を受けた集落(Thoko Chikondi/AP通信)

アフリカ南部マラウイの警察当局は30日、今月中旬に上陸したサイクロン・フレディの水害による死者数が1200人を超える見通しと発表した。

フレディは先月上旬にオーストラリア北西部沖で発生。インド洋を西に進み、先月21日にマダガスカルに上陸、その後モザンビークに移動し、周辺海域で勢力を強め、マダガスカル西部の広い範囲に2度目の被害をもたらし、先月中旬モザンビークに、その後マラウイに再上陸した。

マラウイの緊急事態省は声明で、「これまでに全国で676人の死亡を確認し、行方不明になっている538人が生きている可能性は極めて低い」と述べている。

国家警察の報道官はAFP通信の取材に対し、「一部地域では災害救助犬などによる捜索を続けているが、大きな被害を受けた地域のほとんどが捜索活動を打ち切っている」と語った。

また報道官は「最後に犠牲者を発見したのは1週間以上前であり、近いうちに行方不明者の死亡を公式に宣言することになると思う」と述べた。

報道官は「捜索活動がどれくらい続くかは分からない」とした。それによると、救助隊は水害に見舞われた遠隔地に到達できておらず、これから行方不明者を探す集落もあるという。

国連の集計によると、フレディの水害により、モザンビークで165人、マダガスカルで17人の死亡を確認し、数万人が被災したという。

国連はこの水害がコレラの感染拡大に拍車をかけると警告している。

マラウイとモザンビークはフレディの上陸前からコレラの流行に悩まされていた。特にマラウイの感染状況は深刻であり、昨年3月以降の感染者は3万人を超え、1600人以上が死亡している。

スポンサーリンク