◎モロッコでは数十年に一度の大干ばつが進行中で、全国のダムの貯水率は25%まで低下し、多くの中小河川が干上がっている。
モロッコのモハメド6世(King Mohammed VI)は15日、国会の開会式で演説し、深刻な干ばつに対応する必要があると国民に呼びかけた。
モハメド6世が国会で演説するのは約3年ぶり。
モロッコでは数十年に一度の大干ばつが進行中で、全国のダムの貯水率は25%まで低下し、多くの中小河川が干上がっている。
モハメド6世は議員と国民に水を大切に使うよう呼びかけた。「モロッコは現在、この30年経験したことのない深刻な干ばつに見舞われています。この試練を乗り切るために、全国民の力を結集させなければなりません...」
政府は昨年2月に公表した干ばつ対策に基づき、飲料水確保、農家の支援、家畜の保護を優先させている。
モロッコの経済は農業に大きく依存している。
モハメド6世は国民に対し、「水を懸命に使い、水源を守ってほしい」と呼びかけた。
地元メディアによると、モハメド6世は即位以来、ダム建設を推進してきたという。この数年で大・中規模のダムが50基以上建設され、さらに20基の建設工事が進められているようだ。
モロッコの経済は原材料価格の高騰により鈍化すると予想され、消費者物価指数(CPI)は前年比で8%上昇した。
モハメド6世は政府に対し、民間と銀行部門が連携して投資を推進できる体制を整えるよう要請した。
またモハメド6世は、投資が加速することで多くの資金が集まり、50万人の新規雇用を創出できると説明した。