◎生後3週間の乳児、11歳の男児、5歳女児とその両親、31歳の島民とブルガリア人観光客の死亡が確認された。
2022年11月27日/イタリア、イスキア島北部の地滑り発生現場(Salvatore Laporta/AP通信)

イタリア当局は27日、ナポリ湾に浮かぶ人気観光地イスキア島で発生した土砂崩れについて、子供3人を含む7人の死亡を確認し、救助活動を続けていると報告した。

土砂崩れは島の北部で26日の午前3時から5時頃に発生したと伝えられている。

報道によると、少なくとも5人の行方が分からないという。土砂は住宅地をかけ下り、湾に到達した。

生後3週間の乳児、11歳の男児、5歳女児とその両親、31歳の島民とブルガリア人観光客の死亡が確認された。

消防庁の広報担当はイタリア放送協会(RAI)の取材に対し、「24時間体制で行方不明者を探している」と語った。

気象当局によると、この地域では25日遅くから26日未明にかけて大雨が降ったという。イスキア島のあるカンパニア州でも数日前から大雨が続いている。当局は州都ナポリを含む広い範囲に気象警報を出していた。

救助隊は道路に堆積した土砂と瓦礫を取り除き、湾に転落した車を引き上げるために海軍の潜水チームが動員された。

バチカンのフランシスコ教皇(Pope Francis)は27日の日曜礼拝で犠牲者に哀悼の意を表した。

カンパニア州政府によると、土砂崩れに巻き込まれた住宅は確認できているだけで30戸にのぼり、200人以上が避難を余儀なくされたという。

ソーシャルメディアで共有された動画には胸まで泥水に浸かった男性の姿が映っていた。

イスキア島北部では6時間で126mmの雨が降り、この20年で最大の雨量を記録したという。

RAIは州当局者の話を引用し、「地滑りが置きた地域の危険度の高いエリアにある建物は取り壊さなければならない」と報じている。当局者によると、一部の建物は必要な許可を得ずに建てられたものだという。

連邦政府は27日の緊急閣議でイスキア島全域を対象とする非常事態宣言を発令し、政府予算を救助と公共サービスの復旧に割り当てた。

メローニ(Giorgia Meloni)首相は声明で、「行方不明者の救助活動を最優先し、必要な支援を速やかに提供する」と述べた。

またメローニ氏は犠牲者と遺族に哀悼の意を表し、救助活動に当たっている関係者に謝意を示した。

2022年11月27日/イタリア、イスキア島北部(Salvatore Laporta/AP通信)
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