◎大雨が降った時、付近には1万人近くのヒンズー教信者がいた。
2022年7月8日/インド、北部カシミール地方のヒンズー教聖地近く(Jammu and Kashmir Government's Department of Disaster Management)

インド当局は8日、北部カシミール地方の巡礼地で豪雨による鉄砲水が発生し、少なくとも8人が死亡、数人が行方不明になったと発表した。

報道によると、鉄砲水はヒンズー教の聖地として知られるアマルナート(Amarnath)洞窟近くの山道を直撃し、巡礼に訪れていた信者が巻き込まれたという。

当局は付近で野営していた少なくとも12グループのテントが流されたと説明している。

大雨が降った時、付近には1万人近くの信者がいた。

インドチベット国境警察の報道官は記者団に対し、「多くのテントが流されたという通報を受けている」と語った。

カシミール警察は声明で、「これまでに8人の遺体を収容した」と報告した。

ロイター通信は警察筋の話を引用し、「犠牲者はさらに増える見込み」と報じている。

モディ(Narendra Modi)首相はツイッターに声明を投稿。犠牲者に哀悼の意を表した。

アマルナート洞窟の巡礼は6月30日に始まり、数万人がヒンズー教のシバ(Shiva)神の氷の男根像を目指し、巡礼に訪れる。

報道によると、今年の巡礼者は100万人にのぼる見込みだという。昨年と一昨年はコロナの感染拡大を受け、中止された。

多くの巡礼者が南部の丘陵地帯パハルガムから3日かけて巡礼する基本ルートを選ぶ。北部の日帰りルートを選ぶ人も多く、ヘリコプターを利用するルートも人気がある。

山中を進む巡礼ルートは険しく、1996年には何千人もの巡礼者が吹雪に巻き込まれ、250人以上が死亡した。

巡礼は8月11日の満月の夜に終了する。この日はシバ神が宇宙創成の秘密を明らかにしたことを記念する日であると信じられている。

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