パキスタン豪雨、パンジャブ州で54人死亡、大雨続く

パキスタンの雨季は7月から9月末頃まで続く。
2025年7月18日/パキスタン、南部シンド州カラチ、大雨により冠水した道路(AP通信)

パキスタン東部の広い範囲で大雨による洪水や土砂崩れが発生し、過去24時間で少なくとも54人が死亡した。当局が17日、明らかにした。

同国では6月末以来、北西部カイバル・パクトゥンクワ州、東部パンジャブ州、南部シンド州、南西部バルチスタン州など、複数の州で大雨による死傷者が報告されている。

国家防災管理局(NDMA)は声明で、「過去3週間の大雨関連の死者数は178人に上った」と明らかにした。

気象台によると、今月の降水量は前年同月比で82%増加。各地で河川の氾濫、道路の冠水、土砂災害が確認されている。

パンジャブ州では過去24時間で少なくとも54人が死亡。同州の7月1~15日までの降水量は前年同期比で124%増となり、過去最高を更新した。

17日も各地で激しい雨が続き、ラワルピンディやラホールを含む複数の都市で道路が冠水した。

パンジャブ州政府はSNSへの投稿で、「救助隊がラホール市内で数十人を救助し、ボートで安全な場所に移送した」と述べた。

NDMAは17日に洪水警報を更新。地方当局に警戒を強化するよう求めた。

またNDMAは観光客に対し、土砂崩れで高速道路が遮断される可能性があるため、被災地域への旅行を避けるよう促した。

パキスタンの雨季は7月から9月末頃まで続く。

パキスタンは気候変動の影響を受けやすい国のひとつである。北部の広大な氷河が溶けることで川の水位が上昇。雨季は温暖化の影響でより長く、より強力になった。

国土の3分の1が水没した2022年の大水害では1739人が死亡、200万戸以上の家屋が損壊。被害額は300億ドルと推定されている。

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