◎グレタ・トゥーンベリ氏はCOP26を「世界的なグリーンウォッシュフェスティバル」と呼び、首脳級会議で発表された各国の公約を非難した。
11月5日、スコットランドのグラスゴーでCOP26にさらなる行動を求める集会が開催され、気候活動家を含む数千人の市民が参加した。
集会を主催した気候保護団体フューチャー・スコットランドは数千人と共にグラスゴーの市街地を行進し、COP26と世界の指導者により迅速な気候変動対策を実行するよう要求した。
気候活動家のグレタ・トゥーンベリ氏は演説の中でCOP26を「世界的なグリーンウォッシュフェスティバル」と呼び、首脳級会議で発表された各国の公約を非難した。
グリーンウォッシュとはエコをイメージさせる「グリーン」と、ごまかしや体裁を整えただけという「ホワイトウォッシュ」を組み合わせた造語である。
トゥーンベリ氏は群衆に、「首脳級会議が失敗だったことは明らかであり、指導者たちは気候危機を解決できません」と述べ、これまでに見たことのない即時の大幅な温室効果ガス削減目標が必要と訴えた。
またトゥーンベリ氏は、「権力者たちは地球の気候変動問題をすべて消し去るファンタジーに満ちた解決策が突然登場すると信じ、環境を浪費しています」と指導者たちを非難した。「地球は燃えています。そして、温室効果ガスをほとんど排出していない最も貧しい地域の住民がその最前線に立たされています...」
トゥーンベリ氏は首脳級会議を「ビジネス円卓会議(アーサー王と円卓の騎士にちなんで)」「ばかばかしい」「抜け穴作りミーティング」などと説明し、指導者たちを「裸の王様」と呼び非難した。
ウガンダで活動する気候活動家のヴァネッサ・ナカテ氏は、「アフリカ大陸のCO2排出量は世界全体の3%だが、アフリカ人は気候変動が引き起こした危機の影響を最も強く受けている」と述べ、超大国にさらなる行動を求めた。
<CO2排出量ランキング BP統計 単位百万トン>
1位:中国 9,893
2位:米国 4,432
3位:インド 2,298
4位:ロシア 1,431
5位:日本 1,026
スコットランドのニコラ・スタージョン首相は5日の声明で、「スコットランド政府は集会参加者との有意義な関係を維持するために尽力している」と語った。「スコットランドはすでに気候変動対策を実行しています。しかし、私たちはグラスゴーに集まった子供や若者の声を聞き、より強力な行動が必要であることを認識しなければなりません...」
チャールズ皇太子はCOP26の交渉担当者に向けた演説の中で、気候活動家の怒りと欲求に同情を表明し、「世界の代表団の肩には重圧がかかっている」と述べた。現地メディアによると、気候団体はチャールズ皇太子に集会への出席を要請したが、断られたという。
グリーンピース・インターナショナルの国際事務局長を務めるジェニファー・モーガン氏は、集会の参加者と気候活動家を称賛し、「彼らはCOP26の交渉に重大な影響を与えるだろう」と述べた。
COP26は温室効果ガスの純排出ゼロと地球の気温上昇を産業革命以前の平均気温プラス1.5℃に維持することを目標としている。
<COP26の主要原則>
・温室効果ガス純排出ゼロに向けた持続可能な復興の推進
・野心的で実行可能な気候変動対策(ロードマップ)の策定
・情報共有によるトランジションの促進
・温室効果ガス純排出ゼロ達成に向けた各産業ごとの脱炭素化とイノベーションの加速
・官民による投資促進
・人々を中心とするトランジションの支援
・新たなエネルギーシステムにおけるエネルギー安全保障の確立