◎ライン川はスイスと北海を結ぶ国際河川で、ドイツの工業と水運を支える最重要河川である。
2022年8月10日/ドイツ、西部ケルンのライン川(Martin Meissner/AP通信)

ドイツ当局は10日、ライン川の水位が今後数日で危機的なレベルまで低下し、石炭やガソリンなどの貨物輸送が困難になる可能性があると警告した。

ライン川はスイスと北海を結ぶ国際河川で、ドイツの工業と水運を支える最重要河川である。

ドイツ通信社(dpa)によると、ここ数週間の高温と乾燥で複数の地点の水位が大幅に低下しているという。一部の発電所や工場は貨物船で物資を輸送している。

運輸省の報道官は10日の記者会見で、「一部地域の水位が低下しているが、喫水を抑えれば航行できる」と述べた。

当局の予想によると、西部ラインラント・プファルツ州のライン川支流の水位は12日午前で40cmを下回り、さらに下がり続けると見込まれている。

これは2018年10月に記録した27cmに迫るもので、大型船舶は航行できなくなる可能性がある。

バイエルンに拠点を置く物流会社HGKの広報担当はAP通信の取材に対し、「状況はかなり悪いが、2018年ほどではない」と述べた。

HGKによると、水位低下の影響で通常なら2200トンの塩を運べるケルン行きの船舶が、現在は600トンしか輸送できなくなったという。

2018年の水位低下時には水運が困難になった影響で貨物トラックが西部地域に殺到し、ガソリンスタンド周辺で大渋滞が発生。多くのスタンドで燃料が売り切れた。

運輸相の報道官は「貨物列車をうまく利用しつつ、必要に応じてさらなる措置を講じる用意がある」とした。

HGKや他の船会社は地球温暖化によって干ばつが深刻化し、ライン川の水位低下が常態化する可能性に備えている。

HGKの広報担当は、「気候変動に適応しなければならないだろう」と語った。「こればかりはどうしようもありません...」

HGKによると、今後製造する貨物船は低水位を考慮したものになるという。

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