◎これは温室効果ガスを削減する取り組みのひとつであり、畜産農家が対象となる。
牛(Pexels/Pixabay)

デンマークが2030年から牛、羊、豚のげっぷや排せつ物に課税する。

これは温室効果ガスを削減する取り組みのひとつであり、畜産農家が対象となる。

首相府の報道官は26日、「我が国は2030年までに温室効果ガスの排出量を1990年比で70%削減することが目標である」と強調。世界初となる通称「げっぷ税」をアピールした。

それによると、畜産農家は2030年から、二酸化炭素換算で1トンあたり300デンマーク・クローネ(約7000円)課税される。

2035年には750クローネ(約1万7000円)に増税される予定だ。しかし、所得税が60%控除されるため、1トン当たりの実際のコストは120クローネから始まり、35年には300クローネとなる。

家畜のげっぷに含まれるメタンガスは二酸化炭素に次いで2番目に排出量の多い温室効果ガスである。それは最も強力な温室効果ガスのひとつであり、同量の二酸化炭素の20~70倍の温室効果をもたらすとされる。

国連によると、石油・天然ガスシステムや家畜などから排出されるメタンの量は2020年以降、急速に増加しているという。人為的なメタン排出の約32%を家畜が占めているというデータもある。

デンマーク首相府は声明の中で、「我が国は農家にCO2税を導入する世界で最初の国になる」と述べた。

ニュージーランドも2025年発効予定の同様の法律を可決した。しかし、農家からの大きな批判と、23年の選挙で中道左派から中道右派に政権が交代した結果、家畜は対象から除外された。

NZ政府はメタンを削減する他の方法を模索するとしている。

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