◎政府はこの洪水を「半世紀ぶりの大災害」と呼んだ。
2022年7月31日/ガンビア、首都バンジュール郊外の集落(AP通信)

西アフリカのガンビア政府は12日、先月末に首都バンジュールの広い範囲で発生した大洪水により11人が死亡し、5000人以上が国内避難民になったと報告した。

政府はこの洪水を「半世紀ぶりの大災害」と呼んだ。

地元メディアによると、7月30日と31日の雨量は多い地域で300mm近くに達したという。バンジュール郊外では5歳以下の児童8000人以上を含む少なくとも4万人が避難を余儀なくされ、その多くが住まいを失ったという。

政府は11日に公表した報告書の中で、「バンジュールの広い範囲が冠水し、多くの地域で水が引かず、伝染病の発生リスクが高まっている」と警告した。

また、「数百から数千の民家が影響を受け、5000人以上が国内避難民になったとみられる」とした。

報告書によると、ガンビア史上最大の洪水は1948年に記録されたもので、今回の規模はそれに匹敵するという。1988年、1999年、2002年、2010年、2020年にも洪水による死者が報告された。

政府は地球温暖化を非難し、「異常気象が洪水の頻度を高め、温室効果ガスをほとんど排出していないアフリカの貧しい国々が深刻な被害を受けている」と指摘した。

バンジュール郊外のある地区では数百の水場と数千の衛生設備が破壊され、すべての水源が汚染されたと報告している。水源の水は黄色く濁り、悪臭を放っているという。

別の地区では下痢や皮膚疾患を訴える市民が多数確認された。政府は水系感染症が広がりつつあると警告している。

さらに、水が引かない地域には多くの野生動物が集まり、市民を危険にさらしている。

先週被災地を視察したバロウ(Adama Barrow)大統領は水源を確保するために4600万ドルの改修プロジェクトを実施し、年末までには完了させたいと述べた。

2022年7月31日/ガンビア、首都バンジュール郊外(Getty Images/AFP通信)
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