◎首都キンシャサや東部・南キブ州、北キブ州、イトゥリ州などはここ数週間の大雨により、過去60年で最悪の洪水に見舞われている。
2024年1月11日/コンゴ民主共和国、首都キンシャサ郊外の通り(Getty Images)

コンゴ民主共和国の首都キンシャサで大雨による大規模な洪水が発生し、複数の地区が冠水した。地元当局が13日、明らかにした。

それによると、アフリカ大陸で2番目の長さを誇るコンゴ川の堤防の一部が決壊し、キンシャサに濁流が流れ込んだという。

郊外のある地区ではほぼ全ての通りが1メートル近く冠水し、多くの住民が行く後もなくボートで市内をさまよった。

死傷者が出たという報告はない。

キンシャサや東部・南キブ州、北キブ州、イトゥリ州などはここ数週間の大雨により、過去60年で最悪の洪水に見舞われている。

地元テレビ局によると、東部地域の住民数十万人が自力で高台などに避難し、テント生活を余儀なくされているという。

キンシャサでもボートに荷物を載せてどこかに避難する人々の姿がみられた。

住民たちは中央政府が何の支援も寄越さず、注意喚起を繰り返していることに怒りを表明している。

国連は今週、隣国のコンゴ共和国でも洪水により数十万人が緊急の人道支援を必要としていると発表した。

それによると、この地域の2022~23年の降水量は平年の2倍以上に達したという。世界保健機関(WHO)は洪水により、数千の病院、学校、公共施設が破壊されたと報告している。

コンゴ川では複数カ所で決壊が発生。国連は広い範囲が冠水することで蚊が媒介するコレラなどの感染症が急拡大する恐れがあると警告している。

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