◎デモ隊は連邦議会近くの幹線道路に乗り込み、警察官と野次馬が見守る中、シュプレヒコールを上げた。
2023年1月28日/オランダ、ハーグ市内の幹線道路、環境活動家たち(Peter Dejong/AP通信)

オランダのハーグに集結した環境活動家数百人が28日、市内の幹線道路を占領し、欧州各国のエネルギー政策に抗議した。

デモ参加者の多くが市民団体「エクスティンクション・リベリオン(XR)」のシンボルを描いた旗を振り、警察とにらみ合った。

ある活動家は「いい加減にしろ!」と書かれた看板を掲げていた。

デモ隊は連邦議会近くの幹線道路に乗り込み、警察官と野次馬が見守る中、シュプレヒコールを上げた。

ハーグ警察はSNSに投稿した声明で「道路を封鎖するな!危ない!」と述べ、デモ隊に退去を命じた。

しかし、デモ隊は警察の退去命令を無視し、旗や看板を振り回りして野次馬にアピールした。地元メディアによると、警察は道路封鎖デモを許可しておらず、申請も受けていなかったという。

退去命令を無視した活動家はひとりずつ警察のバスに連行され、どこかに連れ去られた。報道によると、デモ開始から数時間で数十人が連行されたという。

ハーグ警察はツイッターに「活動家の多くが退去命令に従い、現場から離れた」と投稿している。

当局は今週初め、ハーグで違法デモを呼びかけたとして、XRの活動家6人を逮捕した。

一方、ハーグ地裁は27日、XRの一部の活動家をハーグ市内から90日間追放するという検察の命令を支持した。

XRの弁護士は同日、「この命令はデモを行う権利を奪うものであり、国際法違反だ」と非難した。

この無許可デモによる逮捕劇と追放命令は平和的な抗議を求める活動家の間で動揺を呼び起こした。

XRの広報担当は公式ウェブサイトに声明を投稿し、オランダ当局を非難した。「オランダ人は化石燃料への補助金や、平和的な抗議デモに対する威嚇・弾圧に反対しています」

ハーグの検察当局は容疑者たちがデモ参加者に「危険で破壊的な道路封鎖に参加するよう呼びかけていた」とし、取り締まりを擁護している。

また検察は「許可なく公道を封鎖するような犯罪の呼びかけは扇動に相当する」と非難した。「市中心部に通じる交通量の多い道路の封鎖は危険極まりない行為です」

2023年1月28日/オランダ、ハーグ市内の幹線道路、環境活動家を連行する警察官(Peter Dejong/AP通信)
スポンサーリンク