◎全国で進行中の山火事は少なくとも639件。そのうち351件が制御不能に分類されている。
2023年7月2日/カナダ、ブリティッシュコロンビア州郊外で発生した山火事(Noah Berger/AP通信)

カナダ全土で発生した山火事が焼失面積、避難者数、消火費用の歴代記録を更新し続けている。

森林局の事務局長は6日の記者会見で、「今年の山火事は記録ずくめであり、多くの記録を更新し続けると考えている」と語った。

健康問題の専門家も火災による煙がカナダと米国で生活する数千万人に影響を与え、健康被害を引き起こす可能性があると警告している。

AP通信は専門家の話しとして、「山火事の煙が大気中に大量に放出され、その煙が人口密集地に到達すれば、影響は避けられない」と伝えている。

それによると、カナダ全土における高温と乾燥状態はしばらく続くとみられ、7月から8月にかけてさらに多くの山火事が発生するリスクが高まるという。同国の山火事シーズンは9月まで続く。

消防によると、全国で進行中の山火事は少なくとも639件。そのうち351件が制御不能に分類されている。

今年発生した山火事は3412件。過去10年の合計2751件を大きく上回っている。

1月1日以降の焼失面積は2770万エーカー(約11万2100㎢、東京都面積の51倍)を超え、1989年に記録した7万5596㎢を上回り、過去最悪を更新中だ。

政府によると、この火災で避難を余儀なくされた市民は16万人近くに達し、過去40年で最も多くなったという。

現在、全国で約4500人が避難命令下にあり、そのうち約3400人が先住民族のコミュニティである。

消火活動は世界規模となっている。

全土で約3790人の消防士が陸軍の支援を受けながら火災と闘っている。

またオーストラリア、米国、南アフリカ、ニュージーランド、チリ、コスタリカ、メキシコ、スペイン、ポルトガル、韓国、EUから3258人の消防士がカナダに派遣され、消火活動に当たっている。

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