◎カナダでは例年をはるかに上回るペースで山火事が発生・延焼している。
2023年6月6日/米ニューヨーク州(Getty Images)

カナダで進行中の山火事により、東部オンタリオ州とケベック州の主要都市が煙に覆われた。

トロントと周辺地域では数キロ先が見通せなくなり、空は黄色に染まっている。

煙は米ニューヨーク州やコネチカット州に達し、広い範囲で空気質が悪化。大気汚染警報が発令された。

これらは主にケベック州の山火事がもたらしたものである。同州では160件の山火事が報告されている。

カナダ政府は6日、首都オタワの市民に空気質が悪化していると警告し、外出を控えるよう促した。

トロントとその周辺地域は大気質を警報レベルに引き上げた。

米環境保護庁(EPA)は東海岸の広い範囲に警報を出し、呼吸器に問題を抱える人々に警戒を呼び掛けた。

ニューヨーク市とコネチカット州の大部分に大気質に関する勧告が出ている。煙は北のボストン、南はピッツバーグとワシントンD.C.まで拡大している。

ペンシルベニア州東部、ニューヨーク州、ニューイングランド州の一部では大気質指数が200を超えた。これは「誰にとっても非常に不健康」「健康に悪い」ことを意味する。

ニューヨーク市の早朝の空も黄色に染まり、すぐ近くのビルも見通せないレベルまで大気質が悪化した。

公衆衛生当局は東部地域に対し、「煙を含む空気は即時および長期的な健康リスクをもたらす」と警告。屋外で運動せず、煙にさらされる時間をできる限り短くするよう注意を促した。

カナダ・ケベック州の少なくとも1つの自治体は喘息やその他の呼吸器系疾患を持つ人々を煙から遠ざける行政命令を出した。

カナダでは例年をはるかに上回るペースで山火事が発生・延焼している。

トルドー(Justin Trudeau)首相は5日、今年も広い範囲で乾燥と高温が予想されるため、今夏の山火事は過去最悪レベルに達する可能性があると警告した。

消防当局によると、カナダ全土の焼失面積は3万3000㎢(九州の面積とほぼ同じ)を超え、この時期の過去10年の平均の12倍に達した。

ケベック州では数千人が避難を余儀なくされ、2000㎢が焼失した。ブリティッシュコロンビア州、アルバータ州、オンタリオ州、ノバスコシア州、ノースウェスト準州でも大規模火災が発生している。

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