◎西部カリフォルニア州デスバレー国立公園の最高気温は9日に54.4℃を記録し、10日も50℃を上回ると予想されている。
2021年7月9日/カリフォルニア州ドイル、炎を監視する消防士たち(Noah Berger/AP通信)

米主要メディアによると、西部カリフォルニア州の山火事は猛烈な熱波の影響で延焼し続けているという。

同州のデスバレー国立公園の最高気温は9日に54.4℃を記録し、10日も50℃を上回ると予想されている。

最高気温の世界記録は1913年にデスバレーのファーニスクリーク砂漠で記録された56.7℃と伝えられているが、一部の専門家は当時の測定方法を疑問視している。

カリフォルニア州北部の山岳地帯では大規模な火災が複数箇所で確認されており、少なくとも12軒の建造物が被害を受け、約2,800人に避難指示または警告が出された。

現地メディアによると、山火事はカリフォルニア州とネバダ州の州境付近で猛威を振るい、周辺地域の住民は避難を余儀なくされたという。当局は10日に避難指示を解除したが、炎の勢いが強まった場合には再度避難指示を出す可能性があると述べた。

カリフォルニア州のリサ・コックス火災情報担当官は10日、「煙は上昇気流の影響で高度数千メートルに到達し、火災積雲を形成した」と述べた。

消防士たちは身の安全を確保しながら山を進み、木を切って炎の侵攻を防ごうとしているが、熱波、乾燥、強風の影響で厳しい戦いを強いられている。

コックス火災情報担当官によると、消防士は通常、湿度が高く涼しい夜間に作業を進めるが、ここ数日間は夜も異様に暑く、乾燥状態が続いていたという。現地入りした消防士1,200人以上が航空支援を受けながら森を切り開いたが、延焼を続くと予想されている。

カリフォルニア州の燃焼面積は250㎢(東京ドーム5,400個分)を超えたと伝えられており、消防当局は影響を受けたエリアの調査も進めている。

高気圧は西部地域に居座っており、各地の最高気温は週末を通じて40℃前後を維持すると予想されている。国立気象局は熱中症の危険性が高まっていると警告を出したうえで、州の電力当局に停電対策を徹底するよう呼びかけた。

カリフォルニア州の電力当局によると、オレゴン州南部の山火事は地域に電力を供給する送電鉄塔を脅かしており、9日に実施した節電依頼(午後4時~9時の電力使用を控える)を10日も継続すると発表した。

カリフォルニア州のギャビン・ニューサム州知事は9日に非常事態を宣言し、電力供給関連のいくつかの規則を一時停止した。

オレゴン州の燃焼面積は300㎢を超え、炎は山間部の町に迫りつつあると伝えられている。

アイダホ州でも非常事態が宣言され、多くの州兵が消防士の活動を支援した。

昨年西部で発生した大規模な山火事の燃焼面積は約41,000㎢(北海道の2分の1)と推定され、40人以上が死亡し、13,000以上の建造物が灰になり、被害額は2兆円以上に上った。

2021年7月9日/カリフォルニア州ドイル(Noah Berger/AP通信)
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