◎モカはカテゴリー4の勢力で現地時間の14日にバングラ南東部の沿岸部に上陸すると予想されている。
2021年7月28日/バングラデシュ、南部コックスバザールのロヒンギャ難民キャンプ(Shafiqur Ra​​hman/AP通信)

バングラデシュ南東部で13日、サイクロン・モカの接近に備え、多くの市民が安全な場所に避難した。

モカはカテゴリー4の勢力で現地時間の14日にバングラ南東部の沿岸部に上陸すると予想されている。中心気圧は13日の時点で944ヘクトパスカル。

<ハリケーンの勢力>
▽カテゴリー1:秒速 33~44(m/s)
▽カテゴリー2:秒速 43~49(m/s)
▽カテゴリー3:秒速 50~58(m/s)
▽カテゴリー4:秒速 58~70(m/s)
▽カテゴリー5:秒速 70~(m/s)

バングラ当局はモカがミャンマー軍の弾圧を逃れたイスラム系少数民族ロヒンギャが暮らす世界最大の難民キャンプ「コックスバザール」を直撃する可能性があると警告している。

キャンプ周辺ではすでに雨が降っており、多くの市民が高台への避難を開始した。

バングラの気象当局によると、モカの勢力は過去20年で同国に上陸したサイクロンの中で最も強くなる可能性があるという。

モカは現在、ミャンマーとバングラの沿岸部に向かっている。両国の沿岸付近にある空港と港は閉鎖された。

バングラ政府は避難所を少なくとも1500カ所開設し、沿岸部の住民に避難を呼び掛けている。

コックスバザールで活動する赤十字の広報担当はSNSに「モカの接近に備える必要がある」と投稿した。

それによると、コックスバザール市内にある学校には数千人が避難したという。その一部は家畜のニワトリや牛を連れていた。

AP通信の取材に応じた女性は生後2カ月の赤ちゃんと一緒に教室に入った。「着替えを数枚持っていますが、食べ物も水もありません...」

赤十字によると、ミャンマーから逃れてきた100万人近いロヒンギャ難民が竹や薄っぺらい板などで作られた掘っ立て小屋でモカの接近に備えている。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は13日、キャンプの住民を保護するためにできる限りの措置を取っていると声明を出した。

バングラ政府は難民のキャンプ外への移動を認めていない。地元メディアはNGO関係者の話しとして、「キャンプが暴風雨に見舞われた場合、想定をはるかに超える被害が出る可能性がある」と伝えた。

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