◎オーストラリアにカテゴリー5のサイクロンが上陸したのは2015年のサイクロン・マーシャ以来約8年ぶり。
サウス・オーストラリア州の海岸(Getty Images)

オーストラリア気象局は14日、サイクロン・イルサが同国西部のサウス・オーストラリア州に上陸したと発表した。

オーストラリア放送協会(ABC)によると、イルサはカテゴリー5の勢力で14日早朝に上陸。今のところ負傷者は確認されていないという。

<ハリケーンの勢力>
▽カテゴリー1:秒速 33~44(m/s)
▽カテゴリー2:秒速 43~49(m/s)
▽カテゴリー3:秒速 50~58(m/s)
▽カテゴリー4:秒速 58~70(m/s)
▽カテゴリー5:秒速 70~(m/s)

同州の気象局は声明で、「イルサは北西部の海岸に上陸し、内陸に移動するとカテゴリー3まで勢力を弱めた」と述べている。

州当局は同国最大の積み出し港ポートヘッドランドの被害状況を確認中と発表した。

ポートヘッドランドの北東約150kmに位置する町が大きな被害を受けたと伝えられているが、詳細はまだ明らかになっていない。ABCは消防関係者の話として、「一部の集落で倒木や停電が報告されたが、今のところ支援要請は入っていない」と報じた。

またABCは「人口の多い地域の被害は限定的とみられるが、イルサの影響で前線が刺激され、大雨が降る可能性がある」と伝えた。

気象局は内陸部の大雨で道路が冠水し、孤立するコミュニティが出る恐れがあると警告。市民に外出を控え、身の危険を感じた時は迷わず避難もしくは消防・警察に通報するよう呼びかけた。

ポートヘッドランドの市長室はツイッターに声明を投稿。「数十人が避難所に集まったが、市の住民(約1万6000人)の大半が自宅にとどまった」とツイートした。

オーストラリアにカテゴリー5のサイクロンが上陸したのは2015年のサイクロン・マーシャ以来約8年ぶり。東海岸のクイーンズランド州に上陸し、数億豪ドルの損害を与えた。

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