◎警察と消防は被災地の調査を継続しており、死者はさらに増える可能性がある。
2022年8月12日/アルジェリア北部チュニジア国境近く(Abdelaziz Boumzar/ロイター通信)

アルジェリア政府は22日、北東部の森林地帯や市街地を襲った大規模火災について、これまでに43人の死亡を確認し、200人近くが重軽傷を負ったと発表した。

報道によると、負傷者の多くが重度の火傷を負ったという。警察と消防は被災地の調査を継続しており、死者はさらに増える可能性がある。

一方、国営ラジオは警察の話を引用し、「放火に関与した疑いのある13人を逮捕した」と報じた。13人の身元は明らかにされていない。

チュニジア国境を含む北東部の広い範囲で発生した山火事は数日間燃え続けた。

消防は3日前、この地域の山火事はおおむね鎮火したと発表したが、当局者によると、直近24時間で新たな山火事が広い範囲で確認された。消防は31カ所で消火作業を終えたと報告している。

アルジェリア北部ではほぼ毎年山火事が発生し、その数は年々増加している。昨年の大規模火災では兵士33人を含む100人以上が死亡した。

現地の専門家は20日、ユネスコエコパーク(生物圏保存地域)に指定されているエルカラ生物圏保存地域の総選面積の10%以上にあたる約100㎢が被害を受けたと報告した。

森林学者のアフメド(Rafik Baba Ahmed)氏はAFP通信の取材に対し、「保存地域はこの火災で大打撃を受けた」と述べ、ユネスコ登録を取り消される可能性もあり得ると悲観的な見方を示した。

ユネスコによると、この保存地域の総面積は約800㎢。バーバリーアカシカの最後の楽園とされ、冬になると6万羽を超える渡り鳥が飛来するという。

スポンサーリンク